<アンチヒーロー>ドラマPが語る“明墨”と1年3カ月併走した長谷川博己への思い “伊達原”野村萬斎との対決 “赤峰”北村匠海の成長も
長谷川さんと萬斎さんは11歳の年齢差があり、長谷川さんが出演する舞台の芸術監督を萬斎さんが務めたことも。そんな関係性が「明墨VS伊達原」にも表れているという。
「長谷川さんと萬斎さんの関係性が役にプラスされて、ともすれば、俺のところまで来い、いつか俺をあばいてくれというような思いがあるのではないかと。それが長谷川さんと萬斎さんとの関係にうまくシンクロして、最後の見応えのある対峙(たいじ)になった。当初は、そこまで想像していなかったんですが、2人の意思疎通の仕方を見ていると、言葉数多くを語るわけではないんですけれど、互いに感じ取って掛け合いが生み出されていくのは、実際の関係性も関係あるのかなと思いました」と語る。
◇北村匠海が赤峰の変化を緻密にプラン立てて演技
北村さんに関しては「途中から赤峰と同化していた」と役が憑依しているように感じたという。
「第3話で『見極めていきます』と明墨に決意を語ってからは、北村さんは赤峰の変化を緻密にプラン立てて演技を続けていた。(第7話で殺人の証拠となる)作業服を緋山に見せたあたりから赤峰がちょっと怖くなってきたんですよ(笑い)。ゾクゾクするというか。脚本を作っている段階では、北村さんがこう演じるということは想像できてなくて。これは完全に北村さんという俳優さんの赤峰をどう作っていくかというプランニングがすべてだったなという気がしています。本当に見事というか、僕らが想像していた、脚本上で書いたものの何十倍も赤峰を表現してくれたと実感しています」と絶賛する。
最終回のラストシーンでは、明墨の前で赤峰が「私があなたを無罪にして差し上げます」と告げた。これは第1話の冒頭で明墨が緋山(岩田剛典さん)に告げたのと同じシチュエーションと言葉だった。
「ドラマを通して正義の形がだんだんと赤峰の中で変わっていく。赤峰の成長というか、人としての変化をそこで表現しています。照明も第1話の冒頭のシーンの明墨のときの明かりをそのまま赤峰のときに作るという演出をしています」