<アンチヒーロー>ドラマPが語る“明墨”と1年3カ月併走した長谷川博己への思い “伊達原”野村萬斎との対決 “赤峰”北村匠海の成長も
俳優の長谷川博己さんが主演を務めた、TBS系「日曜劇場」枠(日曜午後9時)の連続ドラマ「アンチヒーロー」の最終回が6月16日に放送された。主人公の弁護士、明墨を演じた長谷川博己さんと、検事正の伊達原を演じた野村萬斎さんの息詰まる法廷シーンの演技合戦は、ドラマ史に残る名シーンとなった。また、明墨の“後継者”となった若き弁護士、赤峰を演じる北村匠海さんのキャラクターが憑依(ひょうい)したかのような演技も話題を呼んだ。飯田和孝プロデューサーにそれぞれのキャストに対する思いを聞いた。 【写真特集】明墨、伊達原、そして赤峰 まだ興奮が収まらない! 圧巻の法廷シーン 名場面で「アンチヒーロー」を振り返る!!
◇伊達原は敵役というより「人間味と悲哀がある役に」
ドラマは「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨(あきずみ、長谷川さん)を通して、視聴者に「正義とは何か?」を問い掛ける“逆転パラドックスエンターテインメント”。脚本は4人の脚本家によるオリジナル。
最終回を終えて、改めて主演した長谷川さんへの思いを聞いた。
飯田さんは「昨年の3月15日にお会いして、そこでオファーして、長谷川さんはかれこれ1年3カ月、明墨と併走していただいた。まずは『おつかれさまでした』とお伝えしたい」とねぎらった上で、こう語る。
「改めて唯一無二な俳優さんだと思いました。今回、台本に関する話し合いやキャラクターを作っていく作業を、監督を交えて一緒にやっていく中で、作品に向き合う姿勢、明墨のキャラクターをより良くしようというだけでなくて、ドラマを全体的に面白いものにしようという熱意があり、引っ張るとも何か違う、周りを巻き込む力があり、尊敬の念を感じました」
その長谷川さん演じる明墨と対決する伊達原に関しては、「いわゆる『日曜劇場』の勧善懲悪で倒される敵というよりは、もっと人間味があって、悲哀のある感じを役に込めた」という。演じる萬斎さんには、「『七つの会議』(2019年)などの映画や狂言での表現を見て、萬斎さんに何かもの悲しさのようなものを表現していただけるんじゃないかと思って」キャスティングした。