阪神・ゲラも岩崎優も帰ってきた 強力リリーバー5人でつないだ零封バトン
(セ・リーグ、阪神1ー1中日=規定により延長十二回引き分け、11回戦、阪神6勝3敗2分、26日、甲子園)強力リリーバーが八回から無失点でつないだ。延長十二回、失策を犯した佐藤輝明内野手(25)を救った6番手の漆原大晟投手(27)はマウンド上で右拳を握りしめてガッツポーズだ。1死満塁。フルカウント。カリステを143キロの内角直球で遊ゴロ併殺に封じ込めた瞬間だ。 「泥臭くてもいいんで。ゼロで(ベンチに)帰ってくるっていうのを意識していたから出たガッツポーズかな」 先頭の福永を三ゴロに打ち取ったか、と思われたが、佐藤輝がファンブル。1死後、山本、加藤匠に連打を浴び、満塁に。5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)。延長十回に登板し、サヨナラ押し出し四球を与えた悪夢が脳裏によぎる。 「前回の反省もあって、逃げても意味ない、打たれたら仕方ないと。絶対打ち取ると思って投げ込んで、最高の結果になった」 漆原が勇気をもらったのは、復調をアピールしたダブルストッパー、ゲラ&岩崎だ。まず九回に3番手で登板したのは、21日に1軍復帰してきたゲラだ。この日一発を放っていた細川を156キロツーシームで三ゴロに。石川昂には中前打を許したが、福永を156キロ直球でバットの空を切らせ、2死二塁からは代打・大島をスライダーで二ゴロに仕留めた。 「素晴らしい仕事ができたと思う。(2軍では)気持ちでの面でクリアにして、なにが必要かを考えていた」 4日の楽天戦(甲子園)では1回もたずにKOされるなど、3試合連続失点で岡田監督から2軍降格指令を受けたが、あのときの悲壮感はなかった。 そして、延長十一回には、背中に軽い張りを訴えていた岩崎が8日ぶりにマウンドへ。1死から内野安打を許したが、4番・細川をチェンジアップで空振り三振。続く岡林を二ゴロに仕留め、「いつも通りです。明日も頑張ります」。ポーカーフェースは健在だった。 岡田監督は「ゲラは一回、楽なところで(投げる)と言ってたが、楽な展開になれへんから。(でも)よかった」と安堵(あんど)の表情。これから夏本番を迎えるが、岩崎とゲラが戻ってきた。打線の援護がなくても、虎のリリーフ陣はパワーアップしてチームを支える。(三木建次)