天女の彫刻、鏝絵(こてえ)で再生 南砺・等覚寺、石﨑さん手掛け 漆喰の技、雲描き上品に
真宗本願寺派・等覚寺(南砺市野尻)の本堂の片隅に四十数年前から置いてあった天女の木彫刻に、漆喰彫刻で知られる鏝絵(こてえ)の技が加わり、新たな作品へと生まれ変わった。彫刻の背後に雲をあしらい、現代の匠の技で上品で格式のある見た目に仕上がった。 天女の木彫刻は横向きで、クスノキでできており、手にハスの実を持っている。長さ約1メートル、高さ約40センチで、木の板に張られており、劣化が激しかった。 鏝絵を手掛けたのは左官業の石﨑勝紀さん(南砺市岩武新)で、河合有叙(ゆうじょ)元住職の次女依子(よりこ)さんが依頼した。井波彫刻師の3代目南部白雲さん(同市井波)がデザインを監修した。 南部さんが雲の間を天女が飛び回るようなイメージの下絵を作成し、石﨑さんが鏝絵で世界観を表現した。雲の部分の立体感はやや抑え、天女が際立つ意匠に仕立てた。砺波市苗加の家具職人宝田実さんが新たな額縁を制作した。 等覚寺には、石﨑さんが鏝絵の技法を用いて作った山号額などが飾られている。今後、微調整を行った上で寺に届けられる予定で、石﨑さんは「今までにない見た目で、面白い作品に仕上がった。多くの人に見てもらいたい」と話した。