九州の百貨店「初売り」前年超える売り上げ…最大9連休が追い風、物価高で食品福袋が人気集める
2025年の九州の百貨店の初売り商戦は、最大9連休という恵まれた曜日配列を追い風に帰省客や旅行客らでにぎわい、多くの店舗で前年を超える売り上げとなった。物価高を背景に、生活に密着した食品の福袋が人気を集め、働き方改革の一環で初売りを遅らせた百貨店も盛況だった。(佐藤陽) 【写真】初売りを目当てに開店前から買い物客が行列を作った小倉井筒屋
福岡市・天神の大丸福岡天神店は例年、2日だった初売りを3日にずらした。市内のライバル店より1日遅れとなったが、開店前に3000人以上が列を作り、4日までの来店客は前年の2、3日の合計より増えた。参加費3000円で2万円相当の佐賀牛などが当たる抽選会や、酒類などをセットにした福袋が人気で、売り上げも2割アップした。
今年は三が日に土日が加わって5日まで休みとなり、時間的な余裕が来店客数を押し上げた。
運営会社の博多大丸によると、2日を休業したことについて従業員からは「元旦に翌日の仕事を考えることなく過ごせたので切り替えがうまくできた」など前向きな意見が寄せられたという。26年以降も3日の初売りを続ける予定だ。
例年通り2日から初売りを始めた店も福袋などが人気で売上高を伸ばした。福岡市の博多駅ビルに入る博多阪急では中国などからの訪日客が限定の菓子を買い求める姿もあり、3日までの売上高は前年より2割ほど増えた。岩田屋三越が運営する天神の岩田屋本店と福岡三越では、宝飾品や時計など高額品の売れ行きも好調で、2、3日の売り上げは前年を上回った。
今年、創業90周年を迎える北九州市の小倉井筒屋は、「90」にちなんだ価格の福袋を用意して地元客らにアピールした。東京などからの帰省客が多い熊本市の鶴屋百貨店も多くの買い物客が訪れ、食品の福袋の売れ行きが好調だった。広報担当者は「最大9連休で家族連れの姿が目立った。特に子どもも楽しめる菓子類の福袋が好調だった」と話した。