韓国、専門家たちが見た最大の金融リスクは「家計負債、そしてトランプ」
韓国内外の金融・経済専門家たちは、高い家計負債水準、韓国内の景気不振、第2次トランプ政権の政策の不確実性を韓国金融システムの主要リスク要因とみているとのアンケート調査結果が発表された。 韓国銀行が専門家78人に意見を聞き、21日に発表した「2024年システムリスクサーベイ結果」によれば、回答者の61.5%(5つのリスク要因重複合算)が「家計の高い負債水準および返済負担増加」を主要な対内リスク要因に挙げた。昨年下半期に続き、2年連続で家計負債問題(70.1%)が最も主要なリスク要因として挙げられた。そのほか、内需回復の遅れによる韓国の景気低迷(51.3%)、少子高齢化など人口構造の変化(39.7%)に対する懸念が大きかった。 対外的には来年1月20日に就任予定のドナルド・トランプ米次期大統領が率いる新政権で、政策がどのように変化するかに対する不確実性(56.4%)を憂慮する意見が最も多かった。これに加え、米国のサプライチェーン再編戦略など主要国の自国優先主義産業政策の強化(39.7%)も懸念材料となった。 1年以内に発生する可能性が高いだけでなく韓国の金融システムに及ぼす影響力が最も大きい要因は、米大統領選挙後の政策変化であることが分かった。専門家たちは中期(1~3年)的には高齢人口の拡大および出産率の低下による人口構造変化と主要国の自国優先主義産業政策強化などが現実化しうると見通しを示した。国内の景気の不振や自営業者の不良拡大は1年以内に発生する可能性が高い反面、金融システムに及ぼす影響力は大きくなく、高い家計負債水準と返済負担はその余波は大きいだろうが、実際に発生する可能性は大きくないと評価された。 専門家たちは、韓国金融システムの安定性を高めるための政策方案として▽家計負債のデレバレッジング(縮小)▽不動産プロジェクトファイナンス(PF)および限界企業の構造調整▽マクロ健全性管理▽金融当局と政府、金融会社間の円滑な疎通および金融政策の一貫性維持、柔軟な対処などを提示した。 今回の調査は先月29日から今月8日まで韓国国内の金融機関の経営戦略・リスク担当者、株式・債券・外国為替・派生商品運用およびリサーチ担当者、金融・経済関連協会および研究所職員、大学教授、海外金融機関の韓国投資担当者など78人を対象にした電子アンケート形態で進行された。 ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )