「噓解きレトリック」に出演する鈴鹿央士と松本穗香（岩崎叶汰撮影）

「嘘解きレトリック」　フジテレビ系　月曜午後9時 今期の月9は、大変珍しいことに人情時代劇だ。 【劇中シーンより】人の噓を聞き分ける浦部鹿乃子は、九十九夜町で探偵の祝左右馬と出会う 昭和初期、「人のウソが聞き分けられる」能力を疎まれ、生まれ故郷の村を出た浦部鹿乃子（松本穂香）は、空腹で行き倒れた九十九夜町で、貧乏探偵の祝左右馬（鈴鹿央士）に助けられる。左右馬は鹿乃子の能力を「探偵として素晴らしく便利」と言い、行く当てのない彼女を助手にする…。 累計100万部の人気ミステリーコミックを実写化。鋭い観察眼を持つ借金まみれの探偵と、奇妙な能力者の男女コンビが難事件を解決していく。 鈴鹿は月9初出演。「今でも語り継がれる多くの名作が放送された枠。初めて出るのに、まさかの主演…」とつぶやく。プレッシャーを感じながらも、「いろんな方から『楽しんでね』と声をかけてもらった。楽しもう、本当に頑張ろう」と、松本と顔を見合わせ、気合を入れる。 祝という探偵について、「この作品の明るさ。核心を突いたことも言うが、ひょうひょうとしている。バランスを取って演じたい」という。「鹿乃子から見て、良いなと思える人でありたい。人間関係の温かさを感じさせるような、愛されるキャラクターでいたい」 松本は演じる鹿乃子について、「ちょっと変わった個性を持っていたため、今まで人と深く関わることができずにいた」と考える。「そんな彼女が先生（祝）たちと出会って、自分のことを認めていけるようになる姿を演じられたら」 原作漫画は「レトロモダン路地裏探偵活劇」がキャッチフレーズ。その和と洋が混じり合った独特の雰囲気は、鈴木吉弘プロデューサーを長い間、悩ませてきた。「6～7年前からやりたいと思っていた作品ですが、『犬神家の一族』を毎週やるようなもの。どうやって実写化するんだと考えているうちに、時間がたってしまった」と振り返る。 魅力を再現する努力の一つとして、昭和初期特有の服装を一から作成。祝が着るスーツは現代のものとシルエットや生地が異なるといい、鈴鹿は「和服が主流だった日本が、洋服をどう受け入れていったのかという時代背景も考え、こだわった衣装になっている」と話す。鹿乃子の着物も当時のものを使用している。 登場人物の個性や関係性など、ドラマ部分も注目だ。鈴鹿は「これまでにない時代設定や内容などに、新たな月9の匂いを感じている。その中で、温かな人間関係の大切さが込められている作品。楽しんでほしい」と笑顔で語った。（三宅令）