「中免で乗れる70万円ハーレー」X350はベテラン世代も満足できる?【走りや質感をチェック!】
エンジンはドコドコしない。スムーズに回るタイプ
イグニッションをオンにすると軽やかに目覚める並列2気筒エンジンは、アイドリング状態では振動らしき揺れをほとんど感じません。したがって、いわゆる鼓動感というのも無いのですが、1/3ほどアクセルを開けてみるとそれなりのサウンドがまっすぐ耳に届くことに。 X350に搭載される並列2気エンジンは等間隔爆発の360度クランクなので、いかなる回転域でも粒がある破裂音ではなく、あくまでスムーズなエキゾーストノートといえるでしょう。また、ボリュームは排気量を考えると静かなほうだと感じました。深夜早朝でも遠慮する必要はないレベルです。 いざ走り出してみると、クラッチ操作は軽く、エンジンはスムーズに、そして十分なトルクを保ったまま回り続けてくれます。 最高出力は36馬力で正直「パワフル」とは感じませんが、排気量相応のパワーとトルクで車重195kgのマシンを過不足なく加速させてくれる──といったところでしょうか。6000回転を超えたあたりから伸びが苦しく感じられましたが、サーキットをかっ飛ばしたい!という人でもなければ不満が募ることはないと思います。
ハンドリングはロードスポーツ系。クルーザーではない
次にハンドリングですが、基本、X350は安定指向です。ただ、左右のリーンはステップ荷重で面白いほどのリアクションをしてくれますので、見た目以上にヒラヒラと軽快に走ることもできます。 純正装着されるマキシスのタイヤはフロント、リヤともにどちらかといえば硬め、しっかりした乗り心地です。これがコーナリングでもソリッドな感覚で、ロードスポーツらしい走りに貢献してくれている気がします。 ただ、ABSがどれくらいで作動するのかを試すべく、強めのブレーキをかけた際にはサイドウォールが硬い印象を受けました。タイヤのたわみ量が少なく感じられ「このままスリップ!?」と一瞬頭をよぎったのですが、もっともこれは杞憂にすぎず、しっかりABSは作動。 昔からバイクに乗っているライダーあるあるかもしれませんが、今の時代、ハードブレーキングで変な汗をかく必要はないのかもしれません。もちろん、慎重に走るのにこしたことはありませんが。