【バス運転士不足問題】自動運転を早く!! は根本的に勘違いってマジ!? 自動運転と無人運転は違うのだ!!
昨今のバスの話題といえば、運転士不足による減便や路線廃止ばかりで、生活に影響が出るのでうんざりとは言いながらも無視できない話題でもある。このようなニュースが流れると一刻も早く自動運転バスの導入をという声が挙がるのだが、そう簡単な話ではない。 【画像ギャラリー】【バス運転士不足問題】自動運転を早く!根本的に勘違いしている自動運転と無人運転の違いとは?(3枚) 文/写真:古川智規(バスマガジン編集部) (詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■自動運転を早く!
運転士がいないのであれば、運転士が要らないようにすればよい。と考えるのは人情だ。実際にそのような声も多い。しかし実用上の実現には程遠いのが現状だ。 鉄道では技術的にも実用的にも自動運転は実現している。一般的にはATOと呼ばれる技術があるが、自動運転が広く行われている。一例として東京では都営大江戸線、三田線、東京メトロ南北線あたりがワンマン運転で、車掌は乗務していない。 必要であれば運転士が運転席のマイクで放送案内をする。車上モニターでホーム等の安全を確認して、ドア扱いをする。あとは運転士が発車ボタンを押せば、あらかじめ設定されたプログラムで電車は走り出し、所定の自動運転を行った後に次駅で自動停止する。これがいわゆる自動運転だ。
■根本的な勘違い
ここまでお読みいただければ気が付いただろうが、自動運転でも運転士は乗務しているのだ。運転操作を手動でするのではなく、コンピューターに任せているだけで、運転士は1列車に1名ちゃんと乗務している。腕が鈍ってはならないので定期的にあえて手動運転を行っているが、一般的に自動運転とはこれのことを指し、バスであっても自動運転では運転士は必要なのだ。 多くの方が考えている運転士が要らないのは「無人運転」のことを言う。これも鉄道では実用化されており、一例として東京では、ゆりかもめや日暮里舎人ライナーが採用しており乗務員は乗っていない。 遠隔操作も含めての話だが、完全に無人化されている。これには全線が専用軌道で容易に人が立ち入れない構造で、駅が軌道と完全に分離されている(要はシェルター型の完全ホームドアで転落も立ち入りもできない構造)ことが求められる。