大谷翔平は「ナ・リーグMVP」を獲得できる?NYで「リンドーアMVP説」が再燃してるワケ
過去にDH専任の選手がMVPを受賞した例はなし
ジャッジ擁護派の意見で多かったのは、「ジャッジはシーズンを通じて外野の要センターを守っていた。大谷は指名打者(DH)専任だった」という声だ。 メジャーリーグの長い歴史において、DH専任の選手がMVPを受賞した例はなく、アンチ大谷ファンにとって格好のネタとなっている。実際に今季の大谷はトミー・ジョン手術明けで、登板の機会はおろか、守備に就く機会は一度もなかった。どれだけ素晴らしい打撃成績を残しても、守備での貢献度がゼロだった事実を重く見るファンは一定数いるようだ。 ただ大谷擁護派からは、「確かに2人の打撃成績だけを並べるとジャッジが優れているとは思うが、大谷は史上初めて50-50を達成した。ユニークで記憶に残るのは大谷の方だろう」という意見が出るなど、ジャッジ派と大谷派、両方の意見が乱れ飛ぶ事態となっている。
ナ・リーグMVP論争は終止符を打たれたはずだったが…
そんな中、大谷で確定的とみられていた“ナ・リーグMVP争い”にもまだ火種がくすぶっていたようだ。 ヤンキースと同じニューヨークに本拠地を置くメッツのファンから飛び出したのが、フランシスコ・リンドーアの名前である。 リンドーアといえば、三拍子そろったリーグ屈指の遊撃手で、強烈なリーダーシップを発揮してチームを率いてきた。シーズン終盤までは大谷とMVPを争う存在だったが、9月半ばに腰を痛めて、約10試合を欠場。その間に大谷の打棒が大爆発し、両者のMVP論争には終止符が打たれていた、はずだったのだが……。
ナ・リーグのMVP論争が再燃したワケ
ナ・リーグのMVP論争が再燃したのはレギュラーシーズン最終日。ハリケーンの影響で延期されていたメッツとブレーブスのダブルヘッダーが行われたが、その1試合目にリンドーアが魅せた。 ブレーブスが1点をリードして迎えた土壇場の9回表、リンドーアが打席に立つと、値千金の2ランを放ち、メッツが逆転。その裏の反撃をしのいで、チームを2年ぶりのポストシーズン進出に導いたのだ。 開幕前は、地区3位がやっとという低評価を受けていたメッツ。ポストシーズンに辿り着いたのは、リンドーアの存在が大きかったのは間違いない。 そして、リンドーアが最後の最後に残した爪痕も確かにインパクト十分。「ナ・リーグのMVP論争が再燃した」というメッツファンの言い分にも一理あるだろう。