いわば韓国の軽自動車「キョンチャ」が日本にドンピシャサイズ! サクラよりちょい大きいヒョンデ「インスターEV」が日本に入るとかなり脅威な気がする
韓国で注目度が高い「軽車」の注目車種とは
2024年6月下旬に韓国・釜山市で開催された「釜山国際モビリティショー」にて、「ヒョンデ・インスター」というBEV(バッテリー電気自動車と呼ばれている)がワールドプレミアされた。韓国には日本とは規格が異なるものの、「韓国版軽自動車/軽車=キョンチャ」というものが存在している。 【画像】ヒョンデ・インスターのインテリアなどのそのほかの画像 今回発表されたインスターはこの韓国版軽自動車にカテゴライズされる、「ヒョンデ・キャスパー」をベースとしたBEVとなっている。ちなみに韓国では「キャスパーEV」と名乗り、海外名が「インスター」になるとのことなので、世界戦略車かは定かではないが、海外市場も積極的に意識しているのは間違いない。 キャスパーは全長3595×全幅1595×全高1575mmなのに対し、キャスパーEVは全長3825×全幅1610×全高1575mmとなり、ICE(内燃機関)車となるキャスパーより全長が長く、全幅も拡大されている。日本の軽自動車規格は全長3400×全幅1480×高さ2000mm以下なので、日本の軽自動車規格には収まっていない。ちなみにキャスパーでは1リッターNA及び1リッターターボが用意され、4速ATの設定だ。 キャスパーは2021年にデビューしている。ヒョンデではそれまでも「アトス」という韓国版軽自動車をラインアップしていたが、アトスは絶版となった。それから19年目に登場したキャスパーは、久しぶりのヒョンデブランドの韓国版軽自動車としてデビューしている。 興味深いのが、生産はヒョンデ自動車ではなく、「光州グローバルモーターズ」という、ヒョンデと広州広域市の合弁会社で委託生産されていること。 2024年に入ってから韓国国内では韓国版軽自動車の販売好調が続いてるとの現地報道があるなか、キャスパーEVがデビューしてさらに弾みがついているようだ。韓国メディアの報道によると、発売月となる2024年8月単月締めでのキャスパーEVの販売台数は1439台となっている。ちなみに2023暦年ベースでの韓国内における乗用車の月販平均台数は約10万台(日本の乗用車月販平均台数は約33万台)だ。 韓国市場の特徴としては、平時では「大きいことはいいことだ」ではないが、基本的に大型車の人気が高い。韓国版軽自動車とまではいかなくても、コンパクトカーですら積極的に選ばれることはないようだ。ただし、景気が悪くなると、韓国版軽自動車など小型車が注目されると聞いている。いまの韓国での韓国版軽自動車の販売好調というのは、キャスパーEVも加わり韓国版軽自動車が注目されるなか、景気悪化も少なからず影響しているのかもしれない。 韓国版軽自動車といっても、日本の軽自動車のようにメーカーが多く、ラインアップも充実しているということはなく、ヒョンデ・キャスパーシリーズのほかには、日本でいうところのリヤスライドドアとなるハイト系ワゴンタイプの起亜(キア)レイEVと、韓国名起亜モーニング(海外名ピカント)があるぐらいなので、キャスパーが韓国版軽自動車の販売台数好調に大きく貢献しているといってもいいだろう。