【葵わかな(26)】“心に癒しをくれる”リフレッシュ方法は?「美味しいお酒。ジンと日本酒にハマっています」|JJ
Q2.演出家の白井晃さんが「貧困と不正義に満ちた社会で善良であり続けることの難しさを描いた作品」とコメントされていましたが、ご自身はこの作品をどんな風にとらえていますか?また、これから観る人にはどんな部分に注目してもらいたいですか?
葵わかな テーマとしては確かに“善と悪”や“本当の幸せって何?”など、そういう答えの出ないテーマが隠されています。女性のシェン・テは良い人すぎるがゆえに不憫で、住人にいろいろなことを押し付けられてしまう役なのですが、男性のシュイ・タはその真逆で、人間関係に固執しない冷たい役なんです。私からしてもシェン・テは善人に見えますが、善人というよりかは、ただ言いたいことを言えない人に見えてしまう瞬間もある。本当にシェン・テって良い人なのかなと思いますし、逆にシュイ・タは冷酷だと言われていますが、ある意味合理的だとも思います。彼の言動はちゃんと理にかなっていて、ただただ冷たくて悪い人だとは思えないんですよね。この劇は観る人によって捉え方が変わるのではないかなと思いました。他のキャラクターたちも全員良い人とも、悪い人とも言い切れないんです。そういう部分を楽しんで欲しいなと思います。テーマとしてはものすごく深いのですが、音楽もありポップな感じがして、キャラクター同士の会話も「この人変なこと言ってるな」みたいな、エンタメとしても楽しいものになればいいなと思います。
Q3.今作は葵わかなさんをはじめ、木村達成さんなどの豪華な俳優が出演されると思いますが、これから始まる舞台稽古についてどう思われますか?
葵わかな 木村達成さんとは5年ぶりの共演で。お互い違う仕事をしているなかで、5年という時を経て、また共演できることがすごく楽しみです。あとは今回の舞台に出演されている全員が舞台だったり、お芝居の道をしっかり歩まれてきた人たちなので、結構緊張しています(笑)。せっかく錚々たる方々とご一緒できるので、気づいたら稽古が終わっていたとか、自分のことでいっぱいいっぱいにならないようにしたいと思います。普段皆さんはどんな風に稽古をされているのか、どうやって役作りをしているのか、吸収できるようなことを見つけていきたいです。皆さん本当に良い人なので、これからの稽古が楽しみです。
Q4.葵わかなさんの趣味は“読書”と伺いました。最近読まれて印象に残っている、心に響いた作品がありましたら教えていただけますか。
葵わかな 最近、辻村深月さんの『傲慢と善良』っていう本を読んだのですが、面白かったですね。善良な人と傲慢な人って“表裏一体”だよね、というところが、今回の舞台とも似ている部分があるなと思いました。ストーリーとしては、主人公の婚約者である女性が消えてしまうところから始まり、どこに行ったのかを探しに行くお話です。探していく中で、その女性のことがだんだんと分かっていき今まで隠されていた一面が明かされていくんですよね。ざっくりとした説明になるのですが(笑)。20代後半の女性には刺さると思うので、ぜひ読んでいただきたいですね。 ――本はどういうタイミングで読まれていますか? 葵わかな 私は小説を読み始めるとその世界に入り込んでしまうタイプなので、お休み期間に溜めていた小説を一気に読んでいます。お仕事が入ると台本などを読むので、そういう時はマンガを選んでいます。