「ドコモポイ活プラン」発表、いわばドコモ版「ペイトク」。まずはahamoから、eximo向けは金融事業強化の可能性も(石野純也)
そのため、ahamoポイ活には、次のような効果が期待できます。 1つ目は、現在ahamo単体で利用し、かつdポイントを貯めている人が、大盛りオプションをつける可能性があるということ。 これによって、ahamoユーザーからのARPU(1ユーザーあたりの平均収入)が大きく上がる可能性があります。そのぶん支出は増えるわけですが、ユーザーを大容量プランに誘導するための施策と言えそうです。 同時に、d払いの利用も活性化することができます。先に述べたように、キャンペーン期間中でもポイント還元を上限まで受けるには、4万円ぶんの支払いが必要。 1日あたりに換算すると、約1333円の支払いが必須になります。還元率が高ければ、ユーザーにとってほかの“何とかPay”を使う必要がないわけで、PayPayやau PAY、楽天ペイといったサービスから、ユーザーを引きはがす効果も期待できそうです。 ただし、キャンペーンが終わってしまうと還元率が3%に低下するため、そのハードルは一気に上がります。 上限達成には13万3333円の支払いが必要になり、若年層が多いと言われているahamoのユーザーにとっては、かなり厳しい金額。可処分所得のほとんどをd払いで支払っても、達成は困難かもしれません。元を取るための2200円ぶんのポイントを得るのでも、7万3333円の支払いが必要になります。
実際、筆者もソフトバンク回線はペイトク無制限を契約していますが、2月いっぱいで還元率が3倍に上がるキャンペーンが終了し、一気にポイント還元率が5%まで落ちてしょっぱくなってしまいました。 15%還元だったときには、「もっと上限枠をください!」と言いたくなるほどすぐに上限に達してしまいましたが、3月に入ってからは1回の買い物でつくPayPayポイントが微々たるものに。 何とか達成すべく、Yahoo!ショッピングで高額な買い物をしてしまうなど、本末転倒な行動をしています(笑)。 ahamoポイ活の3%はそれよりも還元率が低く、ポイント還元の恩恵を感じづらいかもしれません。ドコモがキャンペーン終了期間を区切っていないのは、こうした事情もありそうです。 ドコモの営業本部 営業戦略部 部長の山本明宏氏は、「ahamoポイ活オプションがどう支持されるかは、お客様の動きを把握してから、どういう形でキャンペーンを終了するのか、あるいは延長するのかを社内でしっかり議論したい」と語っています。 ユーザーの動向を踏まえつつ、ポイ活が沈静化するようであれば再びキャンペーンを投入するというわけで、今後の動向にも注目しておいた方がよさそうです。
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