デンマーク海軍が中国の貨物船を監視、海底ケーブル切断と関連か
デンマーク国防軍は20日、領海内で航行を停止している中国の貨物船「イ・ペン3」の近くで海軍の警備艇が任務に当たっていると明らかにした。バルト海では数日前に2本の海底通信ケーブルが切断された。 マリントラフィックの船舶追跡データによると、デンマークとスウェーデンを隔てるカテガット海峡に20日時点でイ・ペン3とデンマークの警備艇が近距離で停泊している。 デンマーク国防軍はX(旧ツイッター)への投稿で警備艇がイ・ペン3の近くにいることを認めたが、海底通信ケーブル切断や、イ・ペン3の近くにいる理由には言及しなかった。同国が領海内の個別船舶についてコメントするのは極めて異例だ。 イ・ペン3は15日にロシアの港を出発した後、ケーブルが損傷した海域に到達した。ただ、この海域では他にも複数の船舶が航行していた。 2本のケーブルが切断された現場はいずれもスウェーデンの排他的経済水域(EEZ)で、スウェーデン検察当局は意図的な破壊工作の可能性があるとして捜査に乗り出した。 スウェーデンのボーリン民間防衛相は19日ロイターに、軍と沿岸警備隊がケーブル損傷との関係で船舶の航跡記録を入手したと述べた。 欧州各国は19日、ウクライナに侵攻したロシアが、ウクライナと同盟関係にある西側諸国に対するハイブリッド攻撃をエスカレートさせていると非難した。ただ、ロシアがケーブルを破壊したとの直接的な指摘はしていない。