米求人件数、10月は774万件に増加-低迷していた労働需要が安定
(ブルームバーグ): 10月の米求人件数は増加した。一方でレイオフ件数は減少し、労働需要が安定しつつあることを示唆した。
求人件数の増加は、専門職・ビジネスサービスと宿泊・飲食サービスがけん引役となった。
求人件数は数カ月にわたり急ピッチで減少傾向をたどり、9月には大幅に落ち込んでいた。10月はレイオフ件数が6月以来の低水準となる一方、自発的離職者数は5月以来の高水準となり、労働者の間で新たな職を見つける自信が強まっていることを示唆した。
ボーイングやゼネラル・モーターズ(GM)、カーギルなどが最近、人員削減を実施したり、その計画を発表したりしているが、レイオフが大幅に増加する兆候はほとんど見られない。
これは、米金融当局にとって重要なことだ。当局は金利を徐々に引き下げていく中で、労働市場のさらなる軟化を避けようとしている。
雇用率は6月以来の低水準に落ち込んだ。これは10月の雇用統計が2つのハリケーンとボーイングでの大規模ストライキによってゆがめられことと一致している。エコノミストは6日発表の11月の雇用統計について、雇用者数は大幅に回復し、失業率は4.1%を維持すると予想している。
雇用の減少は主に娯楽とビジネスサービスによるものだった。
サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「求人件数が増加し、雇用者数が減少した理由は同じと考えるのが妥当だろう。雇用の正常な流れを妨げた市場の混乱だ」と指摘した。
米金融当局が注視する失業者1人当たりの求人件数は1.1件と前月から横ばいで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準とほとんど変わらない。2022年のピーク時には2件だった。
米労働省雇用動態調査(JOLTS)の詳細は表をご覧ください。
原題:US Job Openings Pick Up to 7.7 Million as Labor Demand Steadies(抜粋)