亡き「おばちゃん」のために“春高バレー”『優勝』 40年にわたり寮母として指導「私生活の乱れがコートに」 松本国際バレー部「天国から見てくれている」
■智子さんの妹が寮母に
午後4時半すぎ、岡谷市の寮―。 部員たちが練習に励んでいるころ、岡谷市の寮では夕食の準備が進んでいました。 智子さんの妹・浩子さん: 「足のつる方が何人かいるので、つらないための体づくりもしてあげたいなと」 智子さんに代わって寮母を務めるのは智子さんの妹・浩子さんです。 智子さんの妹・浩子さん: 「急なことだったので、お姉さんの教えは正直ないです。手探りでこういうふうにやっていただろうなとか、こういうふうにしたかっただろうなとか。姉がここにかける思いはすごかったので、それを途絶えてしまっては心ないなと思って」
壬生義文 前監督: 「前監督がボールを包丁にかえてリンゴをむく、何とも言えないな」 リンゴの皮をむく義文前監督(69)。今は料理や部員の送迎など裏方に回っています。 智子さんについてのインタビューは遠慮したいと話していましたが。 壬生義文 前監督: 「ブロッコリーとトマトは定番、栄養満点。体づくりにいいらしいんだよ、『必ずつけるんだ』って、智ちゃんが言ってた」
部員20人のうち、19人が寮生活。夜8時半過ぎ、義文さんの運転するバスで寮に戻ってきました。 智子さんの妹・浩子さん: 「おかえりなさい」 部員たち: 「いただきます」 この日の夕食はおでんや車麩の南蛮焼きと寒い冬にピッタリのメニューでした。 1年生: 「もう最高です」
■おばちゃんが見てくれている
食堂には調理場に立つ智子さんの写真が飾られています。 3年生・山田丈琉 選手: 「自分たちの生活のこととか厳しく言ってくれて、でも試合になったらいつも自分たちがマイナスな気持ちの時にすぐに気付いてくれて、ギャラリーの方から後押ししてくれて、バレーに集中できる環境をつくってくれました。写真からでもおばちゃんに見てもらってると心強い」
■おばちゃんに春高優勝の報告を
次は「おばちゃん」に春高優勝の報告を。 大会は2025年1月5日に開幕し、松本国際は岐阜の大垣日大との初戦を迎えます。 松本国際・小林智哉 主将: 「日本一とって報告したいなと思います」 松本国際・壬生裕之 監督: 「おふくろいなくてもできるんだよって、天国から見てもらって安心してもらえるように。『やりきったよ』ではなくて、『きちんと結果持ってきました、優勝したよ』と墓前に報告したい」
長野放送
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