脱サラして自営業をすることにしました。国民健康保険が値上げらしく、友人から「国民組合保険はどう?」と言われましたが、どう違うのでしょうか?
自営業者が加入できる健康保険には、「国民健康保険」の他に「国民健康保険組合(国保組合)」があります。国民健康保険と国保組合では、加入対象者や保険料などが異なるため、状況によっては国保組合のほうが有利な条件で利用できる場合があります。 本記事では、国保組合の特徴や国民健康保険との違い、注意点について解説しますので、特に自営業を検討中の方は参考にしてください。
国民組合保険(国保組合)とは
国民健康保険組合は、同じ業種や職種の従事者で構成される団体であり、国民健康保険の一種です。 例えば、東京都医師国民健康保険組合や大阪府医師国民健康保険組合、全国歯科医師国民健康保険組合、愛知建連国民健康保険組合などがあります。 これらの組合は国民健康保険法にもとづいて運営され、加入者は定額の保険料を支払います。したがって、国民健康保険より保険料の負担が軽減される場合があります。
国民組合保険(国保組合)と国民健康保険の違い
国保組合と国民健康保険は、それぞれ特徴が異なります。例えば、国保組合は団体ごとに加入対象者が異なるのに対し、国民健康保険は非常に幅広い人を対象としています。これらの違いを理解することで、自分に合った保険を具体的に選ぶことが可能です。 本項では、加入対象者、保険料、給付内容の3つの項目について比較しましたので、国保を選ぶ際の参考にしてください。 ■加入対象者 国保組合の加入対象者は、団体によって異なります。例えば、東京都医師国民健康保険組合の場合は、以下のような加入条件があります。 ・東京都医師会会員の医師 ・医療・福祉事業もしくは業務の従事者 ・指定の住所地に住民票がある など ※75歳未満で開業医・勤務医などの場合 希望する組合の加入条件を満たすか、事前の確認が必要です。国民健康保険は、他の健康保険に加入している人や生活保護受給者、後期高齢者医療制度の対象者などを除き、すべての人が対象となります。 ■保険料 国保組合の保険料は団体によって異なり、多くは収入による変動のない定額で設定されています。 例えば、愛知建連国民健康保険組合と建設連合国民健康保険組合の保険料は、以下のとおりです。 ・愛知建連国民健康保険組合 25歳未満:月額1万3500円 25~29歳:月額2万500円 30~39歳:月額2万3500円 40~64歳:月額2万9500円 65~74歳:月額2万7500円 ※1種(事業主)の場合 ※令和6年度分の保険料 ・建設連合国民健康保険組合 19歳以下:月額8000円 20~24歳:月額1万円 25~29歳:月額1万3000円 30~39歳:月額1万7000円 40~49歳:月額2万円 50~64歳:月額2万2700円 65歳以上:月額2万2900円 ※組合員の場合 ※令和6年度分の保険料 国民健康保険の保険料は、所得割、均等割、平等割で構成されており、所得や地域によって異なります。そのため、定額の国保組合に加入することで、国民健康保険より保険料が低くなる場合があります。 ■給付内容 国保組合と国民健康保険は、高額療養費制度や出産育児一時金など、充実した給付内容を提供しています。主な給付内容は、以下のとおりです。 ・高額療養費制度 ・出産育児一時金 ・葬祭費 ・傷病手当金 ・療養費 ・移送費 ・高額介護合算療養費 給付内容は各組合によって異なる場合があるため、事前の確認が必要です。