繁忙期は残業時間150時間、ソニーは年収1460万...激務業界の給与実態を調査
■原動力はボーナスとミーハー心 ・PR会社 営業(男/20代後半) 〈年収〉【額面】900万円〈冬のボーナス額〉なし(転職1年目のため不明)〈ベアは?〉なし マスコミにクライアントのネタを持っていく仕事。もともとミーハーなので、テレビ局に出入りしたり、芸能人と仕事できたりするのはテンションが上がる。また、自分が関わった商品が世間で話題になるのも喜びのひとつ。 ただ、常時5、6件の事案が並走しているため、ひと息つくタイミングがほぼないのが難点。毎日やることが山積みで、メディアの集客には終わりがない。イベント当日が近づくと終電帰りは当たり前。テレビ局の都合に振り回されて有給休暇返上もしばしば。 ただ、大型案件を取ってくると多少のボーナスや給与アップがある。 ■勤怠にうるさい環境で、サービス残業を強いられる ・Webメディア 営業(男/30代前半) 〈年収〉【額面】480万円〈冬のボーナス額〉なし〈ベアは?〉なし 企業のIR情報を掲載するメディアで、営業を担当。先日、勤務先が上場企業に買収されたが、待遇は変わらず。むしろコンプライアンスの関係で稟議や勤怠などの社内手続きが増えたり、業績に対する目標が厳しくなったりとマイナスが目立つ。 会社側は勤怠にとてもうるさいが、そもそも業務量が多く、顧客から朝でも夜中でも連絡が来るので、残業量を減らすのは現実的に不可能な状況。本来はみなし残業40時間を超えると残業代が支払われるはずだが、サービス残業にならざるをえない。 こんな待遇は大いに不満で、現在、転職を検討中。 ■業界ひとり勝ちだが、月の残業は150時間 ・医療系出版社 編集(男/30代後半) 〈年収〉【額面】650万円〈冬のボーナス額〉50万円(前年比↑)〈ベアは?〉なし 医師国家試験向けの参考書や、模試の作製を担う出版社。コロナ禍にうまく立ち回ったおかげで、業績は過去最高。同業他社はどこもほぼ死に体で、新しいものを生み出さず過去の遺産を食い潰すだけの状態に陥っているため、ひとり勝ちの状態に近い。 現状、業務内容に不満はないものの、トップの意思決定の遅さと、決定後の変更が相次ぐことは不満。それでも自分は一度辞めた後に出戻りしたばかりなので、転職は考えていない。 残業時間は通常月で50時間ほど、繁忙期になると150時間に達するが、編集者という仕事柄、仕方がないと腹をくくっている。 取材/井澤 梓 奥窪優木 友清 哲 西田哲郎 橋本愛喜 東田俊介 室越龍之介 文/友清 哲 イラスト/服部元信