毎週「クレジットカード1枚分」のプラスチックが体内に…少しでも減らせる「5つの方法」
マスクから吸い込んでいる
食品に含まれるだけでなく、MPやNPは空気中にも漂っている。 「大気汚染の原因として知られるPM2.5とNPは、大きさがそう変わりません。そのため肺に入るとPM2.5と同じく、ぜんそくなど呼吸器疾患を引き起こすことが懸念されています。 たとえば不織布のマスクのフィルターは、ポリプロピレンというプラスチックでできている。綺麗な空気を吸うためにマスクを着けたにもかかわらず、実は直接MPを吸い込んでいたというケースがいくつも報告されています」 呼吸によって入ってくるMPの中でも高田氏がとりわけ懸念しているのは、洗剤や柔軟剤などに使用されている「マイクロカプセル」だ。 「多くの合成洗剤や柔軟剤はMPでできたカプセルの中に香料を閉じ込めて、衣服に付着させています。それが時間とともに破裂すると、香料が少しずつ飛び出して香りが長続きする仕組みになっている。 しかし同時にカプセルも破裂するので、MPが空気中に飛び散ってしまいます。カプセルが入っていない製品を使うべきでしょう」 ほかにもポリエステルやアクリルなど化学繊維でできた洋服やカーテン、カーペットがこすれたり、空気中の酸素や紫外線によって劣化したりすると、MPやNPが少しずつ空気中に飛散していく。可能な限りこういった素材の製品を避けて、麻や綿のものを選ぶといい。 「MPは屋外でも飛散しているものの、実は屋内のほうが空気中により多く浮遊しているという研究結果があります。そのためPM2.5対策と同じように、空気清浄機を使うのも有効だと考えられますね」 こういった工夫を実践しプラスチック製品から少し距離をとって暮らしてこそ、自分の体も社会もより「持続可能」になるはずだ。 「週刊現代」2024年6月22日号より さらに関連記事『ペットボトル飲料が脳卒中、がん、肝硬変などのリスクを高める? その「驚きのメカニズム」』では、MPやNPがおそろしい疾患を引き起こすリスクについて解説している。
週刊現代(講談社)