北朝鮮軍20人が境界線侵犯、韓国軍の警告射撃で引き返す
【ソウル=桜井紀雄】韓国軍は11日、北朝鮮の朝鮮人民軍の軍人ら約20人が9日午後0時半ごろ、中部の南北軍事境界線を侵犯し、韓国側に一時越境したと発表した。韓国軍が警告放送と警告射撃をしたところ、軍人らは北朝鮮側にすぐに引き返したという。 【写真】ソウル北西の京畿道坡州から見た、北朝鮮側の監視所 韓国軍は11日の定例記者会見で、境界がある非武装地帯(DMZ)は現在、草木が生い茂って境界線の標識が見えにくい状態だと説明。北朝鮮の軍人らは境界を「侵犯する意図はなかった」との見方を示した。 9日には、北朝鮮がごみをぶら下げた風船を韓国へ大量散布した対抗措置として、韓国軍が境界線付近で拡声器による対北宣伝放送を再開した。軍事的緊張が高まっていた時期の越境でもあり、韓国軍は「北朝鮮の軍の動向を綿密に監視している」と強調した。 韓国軍によると、朝鮮人民軍の一団が越境したのは境界線から50メートル以内の範囲。多くがつるはしなどの掘削道具を持っており、何らかの作業に従事中に道に迷ったとみられるという。