朝乃山、左膝を負傷 名古屋場所、18日から休場濃厚
●自力で立ち上がれず 大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)4日目の17日、東前頭12枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は東前頭11枚目の一山本(放駒部屋)に押し倒しで敗れた際、左足を痛めた。土俵上では自力で立ち上がることができず、車いすで花道を引き揚げ、名古屋市内の病院に救急搬送された。左膝を負傷したとみられ、5日目からの休場が濃厚となった。 【写真】一山本に押し倒しで敗れた際、左膝を痛め苦痛に顔をゆがめる朝乃山(右)=17日、愛知・ドルフィンズアリーナ 一山本に押し込まれ、土俵際で粘ろうとした瞬間だった。右足が浮き、左足一本でこらえると、膝がぐにゃりと曲がって崩れ落ちた。一度は立とうと試みるも、立つことはできず、親方らに支えられながら土俵を下りて車いすに座った。 プライベートでも仲の良い一山本が心配そうに見詰めた。車いすに乗る朝乃山の表情は硬く、すぐに支度部屋にある医務室に運ばれた。 ●「大丈夫です」 すぐに救急車が到着したが、体重制限で乗れず、ハイパーレスキュー隊の車両を待って病院に向かった。朝乃山は乗り込む際には「大丈夫です」と厳しい表情だった。 医務室で付き添っていた高砂部屋付きの若松親方(元幕内朝乃若)によると、朝乃山は4月の春巡業中に右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷を負い、全治3週間と診断された。この時よりも自覚症状は重いという。 倒れ込んだ瞬間に左足から音がしたといい、ある親方は「筋肉や靱帯(じんたい)が断裂した可能性もある」と話した。 土俵下で審判を務めていた師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)も「まだ何も分からない」と話し、審判の仕事を終えるとすぐに医務室に向かった。 朝乃山は今場所も右膝にはテーピングを施して土俵に上がっていたが、今回は左膝を異変が襲った。高砂親方は「まずはしっかり治すことが大事」とし、出場については「明日からは難しいと思う」と休場を示唆した。 5日目は西前頭10枚目の翠富士(伊勢ケ浜部屋)と組まれたが、休場して治療に専念するとみられる。直近6場所で皆勤したのは2場所のみで、前日にも「まずは15日間を皆勤しないと」と話していただけに、厳しい状況に追い込まれた。 5日目から休場し、再出場しなければ、来場所は十両に陥落することが確定的となる。