33年ぶり5%超 “賃上げサプライズ”も…その実感を得られるのはいつごろ?【WBS】
ここ30年あまりの春闘における賃上げ率の推移です。長い間、低迷していた賃上げですが15日、連合が発表した第1回の集計結果で今年の賃上げ率は平均で5%を超え、33年ぶりの高い水準となりました。金額にすると、およそ1万6000円と大幅な引き上げです。予想を上回る「賃上げサプライズ」となりましたが、その実感を得られるのはいつごろになるのでしょうか。 歴史的な高水準となった賃上げの結果に街の人は「すごいことだと思います。今までにない金額」「率直に嬉しい。5%上がるのは基本ない。上がってくれたらいいなと思う」と話します。 15日に行われた会見の前から思わず笑顔を見せた、連合の芳野会長。メディア向けに配られた資料のタイトルは「33年ぶりの5%超え!」とびっくりマーク付き。歴史的な結果を興奮気味に伝えました。 「要求に対して満額、あるいは要求を超える回答の組合数は昨年以上という印象。1991年以来33年ぶりの5%台。日本のステージ転換にふさわしいスタートが切れた」(芳野会長) 連合が発表した2024年春闘1回目の集計結果によると、賃上げ率は平均で5%を超えました。1年前に比べおよそ1.4ポイント。金額にして4600円あまり増えました。 ところが会見が始まると喜んでばかりではありませんでした。 「本日の結果はステージ転換に向けたスタートライン。これからが正念場」(芳野会長) 今年の春闘で本当に物価上昇を超える賃上げができるのか、と問われると厳しい表情を見せました。 「これからが中小・小規模事業所(の交渉)。きょう時点ではそれなりの水準だが(中小への波及は)やはり簡単ではない」(芳野会長) 今回の集計結果のおよそ9割は従業員が1000人以上という大企業のもの。働く人の7割を占める中小企業との交渉はこれから山場を迎えます。
食費に光熱費、続く物価高
賃金の上昇によって生活は良くなるのでしょうか。 川崎市に住む木村実夏子さんは夫と3人の子供の5人家族です。夫は4年前に地方公務員から民間企業に転職。年収は15%ほど上がったといいますが「給料を見ると上がった、すごいと思うはずだが、生活があまり変わっていない。むしろちょっと我慢しているというのが現実」と話します。 生後8カ月の乳児と、来月から小学校に通う双子を育てる木村さん。特に家計に影響を与えているのが食料品の値上がりです。 「1年前ぐらいから牛乳がすごく上がっているなという印象で、毎月また値段が上がるのではとビクビクしているような状態。牛乳ではなく低脂肪で、たまに本物の牛乳という感じ」(木村さん) 牛乳だけでなく、米や卵、調味料に至るまで値上がりしているという木村さん。家計簿を見せてもらうと「2023年の食費が55万8000円。かなり上がった」と、食費は1年前と比べ14万円近く増えたといいます。 また、光熱費も家計に重くのしかかります。 「節約を頑張ったつもりだが、上がってしまったので、もともとのお金が上がっていると思う」(木村さん) 物価高に苦しむ木村さん。今回の春闘などを通じて大幅に収入が増えないと、生活は楽にならないと感じています。