メキシコの街角はまさに戦場 チップや投げ銭を巡る戦い
モレリア、メキシコ、5月22日 (AP) ― メキシコ中部ミチョアカン州のモレリアで5月19日、大道芸人同士のケンカ騒ぎが発生した。 5~6人のマリアッチバンドに対して、火吹き芸人は1人。最初は人数で勝るマリアッチバンドに分があるようにみえたが・・・ 監視カメラの映像では、銀色のボタンが付いた白いジャケットのバンドが火吹き芸人にパンチ。倒れたところをさらに蹴るなど勝負はついたかに見えた。 ちなみに、ケンカ騒ぎが起きた場所はタコスの店の外で、店名がなんと「地獄」とはできすぎの感じがしないでもない。 ところが、次の映像では逃げたと思った火吹き芸人が戻ってきて、マリアッチの連中に炎を浴びせたからたまらない。 持っていた缶から可燃性の液体を噴射し、マリアッチに火をつけた。衣類に火がついたバンドマンは消火に必死で、そのすきに火吹き芸人は逃げたようだが、病院でケガの手当を受けたと報じられている。 メキシコの路上生活は非常に厳しく、チップをめぐる競争も激しいため、大道芸人や車の洗車係は、文字通り体を張って儲かる街角の縄張りを死守する。 2019年には、メキシコシティの広場で、ホームレスとレストランのウェイターとの間で、客のチップを巡ってストリートバトルが繰り広げられた。 一方、首都の露天商グループは縄張り争いで、しばしばこん棒や時には銃を持って対決することがある。 (日本語翻訳・編集 アフロ)