ウォーレン・バフェットが語る、キャリアを高め自分の価値を向上させる「最大のスキル」
バークシャー・ハサウェイのCEOであるウォーレン・バフェットは、長年にわたり、自身のファンや支持者たちにたくさんのキャリアに関するアドバイスをしてきました。 では、そのうちバフェット自身が考えている一番のアドバイスはどれだろうと思う人もいるでしょう。 その答えがこれまで変わったことはありません。それは、パブリック・スピーキングのスキルを磨くことです(詳細は後述)。 3人でも300人でも聴衆を感情・心・頭の面で自分の言葉を使って説得し、情報を伝え、魅了する能力は、テクノロジーや今のAIには真似できませんし、これからもずっとそうでしょう。
自分の価値を50%高める
2009年にテレビ放映されたCNBCのタウンホールイベント「Warren Buffett and Bill Gates: Keeping America Great」で、バフェットは母校コロンビア大学の学生たちから質問を受けました。MBAの2年生の学生が質問しました。 卒業を間近に控えているのですが、実社会に出た際にバフェットさんがMBAでは身に付けられていなかったことを1つ教えてください。 覚えておいて欲しいのは、これは2009年のことで、それほど昔のことではないということです。 このイベントの動画を見つけることはできませんが、筆者はその文字起こしを見つけました。この質問に対するバフェットの答えの抜粋がこちらです。 私なら現時点で、皆さんの将来の収入の10%に対して10万ドルを支払います。ですから、これが終わったあとで私に会いたいという人がいれば…(笑い声、拍手) もしそれが本当なら、つまり皆さんの10%に10万ドルの価値があるのなら、皆さんは現時点で100万ドルの資産ですよね? コミュニケーション・スキルを身につけるという点だけでも、皆さんのうちの多くの人は向上の余地があるでしょうし、私も卒業したときにはきっとそうだったでしょう。 コミュニケーション・スキルというのは、教わるものではありません。パブリックス・ピーキングという点では、実はあとにデール・カーネギーのコースに行ったんです。でも、コミュニケーション・スキルを向上させることで自分の価値を50%高めれば、資本価値にしてさらに50万ドルになります。 クラスを終えて会いに来てくれたら15万ドル払いますよ。(拍手) 単純にバフェットの言葉を借りれば、バフェットが才能の価値を数値化して、100万ドル以上の資産とみなされたとします。 すごいのは、コミュニケーション能力を磨いてさらに50万ドルの価値を得ることで、自分の価値を50%高めることができるということです。これは、残りのキャリアを通じて利益を生む投資です。 パブリック・スピーキングは「50年も60年も使える資産」だとバフェットは言います。ただし、それは責任でもあるとバフェットは警告しています。 つまり、人前で話したりコミュニケーション能力を高めたりするのが好きでなくともそれは「50年、60年と続くだろうし、必須のスキルでもある」のです。