「ふざけた記事」を作る会社だから、職場の「整理整頓」はちゃんとする…「イケてるしヤバい男 長島」の経営哲学
仕事を円滑に回すために必要なものとは何か。Webメディア「オモコロ」を運営するバーグハンバーグバーグ代表取締役の長島健祐氏は「大切なのは、最低限でいいから守りたいルールを設けることだ。基準があるからこそ自由に動きやすくなる」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、長島健祐『センスは5% クリエイターをサポートするための45の技術』(徳間書店)の一部を再編集したものです。 ■ゆるい会社でも就業規則は必要だった 僕が社長になるまで弊社には就業規則というものが存在していませんでした。 就業規則は従業員数によって作成の義務が発生するかどうかが変わってくるので、当時は作成しなくても良かったわけです。ですが、就業規則がなかったがゆえに、「何をしたらだめなのか」「どういう働き方がOKなのか」といった明確な基準が存在しないため、都度上長が判断していました。 当時、なんとなくあったルールとしては、「だいたい10時から19時まで働く」「必要に応じて残業をする」「用事があれば『休みたい』と言ってお休みを取る」ようにしていました。それはそれでとても良い規則ではあります。 ただ、例えば「一週間休みたい」と言ったらダメと言われたり、遅く出社すると注意されたりはするので、注意された本人からすると「ルールもないのになんで怒られたんだろう」といった負の感情となり、なんだか腑に落ちません。怒られることは誰だっていやですよね。 そういったこともあって、就業規則をしっかり作りました。
■ルールがあることで逆に自由度が増す 「この時間にきたら怒らないし、この時間から大幅に遅刻したら注意する場合もある」といったみんながわかるルールを敷くことで、それ以外は自由にしていいんだと思い、逆に自由度が広がったと感じます。 休みに関しても「用があったらその都度休む」というスタイルではなく、「有給休暇」という法に則ったルールを作ることで「ルールなんだから休んで良いんだ」という風潮をつくり「休むことは悪じゃない」という感じにして、それぞれの休みを楽しんでもらっています。 ちなみに、一般企業の有給消化率は40%くらいといわれていますが、弊社の有給消化率は90%以上です。 (なぜ100%じゃないんだと思うのですが、100%消化していないメンバーにいわせると、「100%消化しちゃうとなんかあったとき怖いから」とのことでした) 「ルールを作る」というと、堅苦しくて行動範囲が狭まる印象もありますが、それもケースバイケースで、逆に自由度が増すこともあると思います。 ■出社してすぐにソファで寝ていても構わない 弊社では昼寝を1時間まではOKとしています。つまり、休憩と組み合わせると2時間昼寝をしてもOKということになります。 昨今、会社のルールとして昼寝OKの企業は多いです。僕が今までいた会社でも昼寝OKとしていた会社はいくつかありましたし、仮眠スペースがある会社もありました。ルール化はされてなくても昼寝しても特に怒られない場合がほとんどなので、もはや珍しくはないかもしれませんが、弊社の場合は就業ルールにもしっかり記載しています。そのこともあって「寝ても怒られない」「合法的に寝て良いんだ」と思ってもらえているようで、業務時間中に昼寝してるメンバーは多くいます。 中には出社してすぐに寝たり、帰宅する前に寝たりするメンバーもいて、「そのタイミングで昼寝する意味ある⁇」と思うこともありますが、ここらへんの良し悪しはA/Bテストしづらい領域ですし、我々にとってひとつのカルチャーでもあるので一旦はこのまま続けています(どんなカルチャーだよ)。 「昼寝を取り入れることで業務改善してる実感はありますか?」と聞かれることはしばしばあります。自分の話や周りの話でいうと、スケジュールがタイトな案件があると前の日に深夜まで対応してることも稀にあって、そのまま寝不足で出社するため、なんだか一日中頭がぼーっとしてるときは、トイレや机でうとうとするよりも、いっそ昼寝をしてリセットすることでその日を頑張って乗り切れることもあるので、そういう意味では良いと思います。 他には、お昼ごはんをいっぱい食べて眠くなっても安心だとか、夜中にゲームをしたいから業務時間中に寝て睡眠時間を確保すると言ってたメンバーもいました。