「プリキュア好きなんて変」息子が言われて傷付いたら、親はなんて声をかければいい?専門家に聞いた
「うちの息子、お姉ちゃんのスカートで保育園に行くことがあるんだけど、この前『何で男の子なのにスカートなの』って他の子に聞かれたんですよね」 「うちの息子も『ピンクが好きなんて変』って言われて泣いたことがあったな」 職場で雑談中、こんな話になりました。みなさんも、子どもを育てていて「その子らしさ」と「性別からイメージされる『らしさ』」の違いを感じることはありませんか? 好きなものは大切にしてほしい。でも、それで傷付くこともある。どうすれば、より「その子らしく」いられるのだろう―。迷える子育て中の記者2人が、ジェンダー平等教育が専門の内海崎貴子さんに聞きました。 【写真】もう懐かしい。大切に読み込んだプリキュアの映画パンフレット2年分
友だちに「変」と言われて傷付いたら、なんて言えばいい?
小西和香記者(5歳と2歳の子育て中) 5歳の息子はプリキュア好きなのですが、友だちに「変」と言われて、数ヶ月見ない時期がありました。私は「変じゃないよ」としか言えなかったのですが、こういうときはどう声をかければよいでしょうか? 内海崎さん 子どもには子どもの世界があります。発言した友だちを責めるのではなく、視野を広げてエンパワーメント(力を与えること)できるような声かけができるといいですね。 例えば、女の子が「恐竜が好きだなんて変」と言われたなら「お母さんも恐竜、好きだけどな」「あのお姉ちゃんも恐竜好きなんだって」などですね。子どもが「恐竜の服はもう着ない」などと言うなら、 「学校に着ていくのが嫌だと思うなら、おうちで着るのはどう?」など、選択肢を広げるのもいいでしょう。 傷つく発言をした友だちとも、別の場面では無二の友になれるかもしれない。親の態度や言葉で、その可能性をつぶさないようにしたいですね。
どこまで口を出していいか分からない
小西記者 子どもが何かを選択するとき、基本的に口を出さない方が良いのでしょうか?例えば、服や長く使う持ち物を買うときなどに、つい、「この間は違う色がいいって言ってたよね」「(他の子と違うけど...と思いつつ)本当にそれでいいの?」などと言ってしまいます。 内海崎さん 子どもが自分で選択するための情報を共有するのはいいと思いますよ。「年少さんの時に好きだったキャラクター、今はもう好きじゃないよね。それはずっと好きでいられそう?」「周りの子はどういうのを持っているか見てみようか」などですね。 ただ、大切なのは「選んだことを尊重したい」と伝え、選択を「いい」「悪い」と評価しないことです。大切なのは、小さな選択を子ども自身が続けること、それを尊重することです。