ECB、利下げには地政学が最大のリスク-フィンランド中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、インフレ鈍化で今夏に利下げを開始する可能性が生まれていると語った。ただ、地政学が理由で予定はまだ変わり得るとくぎを刺した。
レーン氏は16日にヘルシンキで、インフレ見通しの推移や基調的インフレの動向、金融政策伝達の強さからインフレ率が2%に収れんしているとの確信が増せば、6月の会合で利下げが可能になるだろうと論じた。
だが、その決定はウクライナや中東の情勢が悪化しないことも条件になると指摘。「これは地政学的状況や、ひいてはエネルギー価格などに一段の悪化がないことが前提になる」と述べた。
ECBは先週、5会合連続で中銀預金金利を4%で据え置いたが、インフレが減速すれば利下げ開始が近く可能になると示唆した。同じく政策委メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁は15日、年内に3回以上の利下げがあり得ると述べた。
ECBは今年3回利下げ、4回の可能性も-リトアニア中銀総裁
政策委員会メンバーの一部はシムカス氏よりも慎重な見方を示している。
原題:ECB’s Rehn Says Geopolitics Pose Biggest Risk to Rate Cuts(抜粋)
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Leo Laikola