旭川・17歳殺害 地検「死に追い込んだ」と判断 スマホに欄干に座らせた動画 殺人罪などで起訴
【旭川】旭川市で留萌市の高校生村山月(るな)さん(17)がつり橋から川に転落させられ、殺害された事件で、旭川市の無職内田梨瑚(りこ)被告(21)が殺害への関与を否定する中、旭川地検は殺人罪での起訴に踏み切った。直接川に突き落とす行為は確認できなかったものの、スマートフォンに残されていた事件当時の動画などから、同被告が長時間にわたり脅迫するなどして逃げ場を失わせ、川に転落させて殺害したと結論づけた。 事件は未明の時間に山間部で発生。第三者の目撃情報は乏しく、防犯カメラの映像もない。内田被告は「(村山さんを)橋に置いてきた。転落する場面を見ていない」などと突き落とす行為を否定し、捜査は難航した。 道警は内田被告らが捨てたとされる村山さんの破壊されたスマホを発見して解析。村山さんを橋の欄干に座らせ、転落に追い込むような動画が記録されていた。同被告が撮影したとみられ、「落ちろ」「死ねや」と脅していたという。道警幹部は「最後に橋から落ちるしかなかった状況を示す重要な証拠」と語った。 転落現場の旭川市神居町神居古潭の神居大橋は高さ約10メートル。当時は雪解け時期で水量が増え、水温は10度を下回る。水中に転落すれば、助かる可能性は低い。村山さんの遺体は橋から約60キロ下流の空知管内奈井江町で発見された。 村山さんは橋に到着するまで約4時間にわたり車内に監禁され、橋では内田被告らに腰部を蹴られるなどし「極限まで追い込まれた状態」(捜査関係者)だったという。