定番おかず【鮭の栄養】紅鮭・銀鮭・白鮭…身の“色”で栄養に違いあり??【栄養士ライター解説】
結局どの種類を食べるのがおすすめ?
たんぱく質の含有量は鮭の種類で大きな差はなく、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。一方、脂ノリを左右する脂質の量は鮭の種類で違いがあり、控えめなのが「白鮭」「紅鮭」です。逆に、脂ノリの良い「銀鮭」や「サーモン(アトランティックサーモン、サーモントラウト)」は脂質が高め。脂質1gあたり9kcalのエネルギーとなるため、脂質が高いとカロリーも高くなります。脂肪やカロリーが気になる人は白鮭か紅鮭を選ぶと良いでしょう。なお、秋に出回る「秋鮭」は白鮭の別名です。
鮭に含まれる脂質の多くは、私たちの体内で重要なホルモンの材料となるオメガ3系(DHA、EPA、α-リノレン酸など)をはじめとする良質な脂肪酸です。特に、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液をサラサラにして血栓を防ぐ働きや、脳を活性化して記憶力を維持する働きなどの機能性が注目されています。EPAやDHAを意識的に摂りたい場合は、「サーモン(サーモントラウト、キングサーモン、アトランティックサーモン)」や「銀鮭」を選んでみてはいかがでしょうか。 他にも、糖質と脂質をエネルギーに変える代謝をサポートしてアルコールの分解を促すナイアシンも鮭に共通して多く含まれています。また、傷ついた神経細胞を修復し、葉酸と協働して赤血球をつくり貧血を予防することから別名「造血ビタミン」と呼ばれるビタミンB12が豊富なことも鮭の特徴で、特に「紅鮭」に多く含まれています。
野村ゆき