チェコWBC主将が惚れ込んだ日本製「あまりに良すぎて…」 金融トレーダーの35歳とともに“里帰り”した逸品
侍ジャパンと強化試合、コーチのペテル・ジーマのグラブに日本語
野球の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本vsチェコ」が9日から名古屋市のバンテリンドームで行われる。8日は日本代表「侍ジャパン」とチェコ代表が会場でそれぞれ練習。チェコベンチの前には、なぜか漢字で「忍」というマークが入ったグラブが置かれていた。持ち主は、代表のベンチコーチを務めるぺテル・ジーマ。この逸品が届いた経緯を聞くと、昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)以降深まった両国の“野球交流”の深さが見えてくる。 【画像】金色に輝く「忍」の文字 側面にはカタカナも…チェコ代表コーチが持参した日本のグラブ チェコ国旗と同じ青、白、赤の配色。ウェブにも国旗が刺繍されており、愛国心あふれるグラブだ。しかし、一番目立つラベル部分には、勢いのある字体で「忍」の金文字が入っていた。前日練習をしていたチェコベンチ前で目を引いた逸品。持ち主のジーマは「これは日本のグラブメーカーの人にもらったんだ。昨年の欧州選手権の時に、チェコに飛んできてくれたんだ」と明かす。 「Shinobi Baseball」という日本のメーカーが製造したもので、側面にはカタカナで「ぺテル ジーマ」と名前も刺繍されている。ジーマは「試合ではこれを使っていなかったんだ。あまりに良すぎて、しばらく棚に飾っていたんだよ」とうれしそうに笑った。同じメーカーのシンプルな茶色のグラブも持参。「2つもらったんだ。とても気に入っているよ」。満足げに披露してくれた。 昨春のWBCには主将として出場した35歳。本職が金融トレーダーであることも話題となった。現在も国内リーグ「エクストラリーガ」で現役を続けているが、今回は若手にチャンスを与えたいというパベル・ハジム監督の意向を受け、首脳陣入りを快諾。「コーチはとても難しいね。でも、違った視点で野球を見ることができる」と学びの機会にしている。 今回は、プレミア12に臨む侍ジャパンの強化試合のための来日。チェコ代表はこちらには出場しないが、2026年のWBCでは再び日本と同じグループに入る。ジーマは選手としてのロースター入りに「全力を尽くすよ」と意欲を見せつつ「選手でもアシスタントコーチでも、何だって受け入れるよ。このチームの一員として呼ばれることはとても光栄なことだ」と、国を背負う誇りを強調した。
THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku