車の水没でドアが開かなくなる、有効手段は「ガラスクラッシャー」 ガラスに押し当て破壊、しかし粗悪品も
JAF愛知支部によると、道路の冠水の影響で車のエンジンが止まる可能性があるのは水深30センチ。ドアを開けるのが困難になるのは水深60センチ以上です。タイヤの半分まで冠水したり、センターラインが水で見えなかったりする場合は被害が起きやすいといいます。 大雨の影響による冠水被害に遭わないための対策方法や、車内に閉じ込められてしまった場合の対処法について解説します。
冠水や被災などの救援依頼は4319件
愛知県内では2023年6月2日から5日にかけて、大雨の影響による冠水や被災関係の救援依頼は4319件ありました。JAF愛知支部は被害に遭わないために「大雨・集中豪雨の際はなるべく運転を控える」「地下道を通らない」「比較的水深の浅い冠水した道路は慎重に運転」と注意を呼びかけています。特に怖いのは、車両浸水や水没により車内に閉じ込められてしまうことです。
ガラスクラッシャーなら窓に押し当てるだけで割れる
万が一、車内からドアが開かなくなってしまった場合は、車の窓ガラスを割る「ガラスクラッシャー」が有効です。ガラスクラッシャーはガラスに垂直に当てて、押し付けるだけで割れます。ガラスクラッシャーは先端から固い突起物が勢いよく飛び出し、ガラスを割る仕組みです。窓に押し当てる「プッシュ型」のほかに、叩きつける「ハンマー型」もあります。安いものでは500円ほどで販売されています。
一宮警察署で行われた水没車両からの脱出訓練では、窓ガラスをヘッドレストの金属部分や傘の先端、車のカギで叩いても割れませんでした。 一宮警察署 前田正警備課長: 「専門の道具でないものだと割ることが難しい。ガラスクラッシャーのような専門の道具を車に備え付けてもらうのが良いです」
JIS規格など純正の商品を選ぶのが大切
ガラスクラッシャー以外の有効な手段はないのか、専門家に話を聞きました。 JAF愛知支部広報 吉田英治さん: 「正直何もありません。通常、走行中でも飛来物や飛び石とかで割れないように安全性を確保しないといけないので(車には)強靭なガラスが使われています。だから、いざという時のために(ガラスクラッシャーを)備えてもらえるのが1番良いです」 ただ、ガラスクラッシャーを選ぶときには注意が必要だと指摘します。
「ネット通販を見ると、何十種類、何百種類と出てきますが、粗悪な商品が出ています。割れない商品が実際にあるんです。購入したら車に常備して、いざという時に使うものになるので、(買った後に実際に窓ガラスを割って)試すことができません。割れる商品なのか、割れない商品なのか、誰もが判断しづらい部分があります」 吉田さんはJIS規格のマークのついた商品や自動車販売店が純正部品として扱っている商品を選んでもらいたいと話します。 「各自動車メーカー、製品メーカーが動画で公開していたり、試験結果であったり、国民生活センターがテストしてOKだった商品を決め手に選んでください」
愛知のニュース