デビュー15年目に「ようやくこれから」 スネオヘアーさん、変わる音楽観
昨年6月に北海道開拓の村で開催された「REAL MUSIC VILLAGE 2015」以来の札幌訪問となったスネオヘアーさん。5月22日にメジャーデビュー15年目に突入、同25日にアルバム『0(ラブ)』をリリースするなど精力的に音楽活動を続けるスネオさんに、今の音楽に対する姿勢を聞きました。
じっくり聴いてもらい「自然に体が動く」が理想
メジャーデビュー15年目に突入し「振り返ってみていかがですか?」という質問には、「ようやく、これからですよ」と意外な答えが返ってきました。その理由は、「これまでは歌が下手過ぎましたね。魂に頼り過ぎていたというか。今は魂がなくても技術だけで何とかなる、というのは冗談ですけど、勢いでガーッといっていた部分はありました」とスネオさん。 「最近は“スポーツをしたい(フロアで騒ぎたい)なら、ほかのアーティストを聴けばいい”と思っています。音楽をじっくり聴いてもらって、それで体が自然に動いてしまうというのが理想ですね」と、この15年での変化を語りました。 その思いが随所に散りばめられているのが、5月25日にリリースされた9枚目のフルアルバム『0』。このアルバムには『0』というタイトルトラックと『LOVE』という「2曲のラブ」が収録されています。今作は、これまでにないくらいサウンドのアプローチがバラエティに富んでいます。 「実は、インディーズ時代のアルバムは打ち込みがあったりバンドスタイルがあったり色々なサウンドがあったんですよね。でも、僕の音楽はバンドではなかった……友達が少ないので(笑)。それで『0』という記号を使って『ラブ』というアルバムを作ったんです」
“最後のアルバム”だと思って聴いてほしい
音楽に対しての姿勢も変化してきたといいます。 「昔は子どもたちには明るい未来が待っているという空気がありましたけど、今は何となく未来が見えてきているような気がします。でも、それでは子どもたちの未来は輝かないですよね。だから音楽の役割として、子どもたちの未来を照らすような要素を取り入れたいんです。それが、今の音楽に必要なのではないかと思います」 最後にスネオさんは、今回の「0」というアルバムを“最後の作品”だと思って聴いてほしいと話しました。「これまで9枚とも同じことを言っているんですけど、今の自分を出し切ったので何も残っていない状態です。秋口にはこのアルバムを持ってライブができるよう調整中ですので、アナウンスを待っていてください」。 メジャーデビュー15年目にしてますます盛ん、スネオヘアーさんは原点に回帰しながらも前を見続けています。 (橋場了吾/REAL MUSIC NAKED)