サツマイモの新しい価値創造に挑戦、カルビーかいつかスイートポテト・安藤社長
4月1日付でカルビーかいつかスイートポテトの社長に就任した安藤國行社長は、サツマイモの新しい価値創造に挑戦する。同社はカルビーグループにとって重要な会社だ。カルビーグループでは2030年に向けた成長戦略と2023~2025年度の変革プラン「Change 2025」を策定し、次の成長に向けた構造改革に着手しており、カルビーかいつかスイートポテトは、新規領域におけるアグリビジネスの成長を担う中核企業と位置付けられる。 安藤社長は2003年10月にカルビーに入社。入社後は一貫して営業を担当。広域量販部長を経て2019年4月に執行役員広域事業本部長、2021年4月に広域事業本部長とCVS事業本部長を兼務。2023年4月にカルビーかいつかスイートポテト社長に就いた。 社長に就任後、「ポテトかいつか」時代からの企業ミッションである「さつまいもの新しい価値を育む」に関して、サツマイモの新しい価値とは何かを考え、生み出し、それを育むためになにをすべきかを全社員に問い掛けた。安藤社長をはじめとする取締役がキャラバンを組み、社員と積極的に対話を重ね、企業ミッションを全社員が共有することに注力した。 安藤社長は、カルビーの独自加工技術を活用した高付加価値の商品が、サツマイモの新たな価値につながると考える。サツマイモは、焼きたてから冷凍まで温度帯の違いを生かした商品展開が可能で、収穫したサツマイモを全量使い切るために、新たな領域に挑戦する。 さらに、国内だけでなく、海外事業展開を視野に入れる。カルビーかいつかスイートポテトオリジナルの価値を付加したサツマイモをカルビーグループのシナジーを最大限発揮することで海外のマーケットに挑戦する。 同社は1967年の創業。茨城県を中心に契約農家からサツマイモを仕入れ、貯蔵・洗浄・加工を行い全国の小売店、外食事業、食品加工会社や消費者へ直接販売し、国内最大級の扱いを誇る。2008年に通販事業を開始し、2013年に直営販売事業も立ち上げ、焼き芋専門店として店舗事業を開始。現代のニーズに合わせた新しい焼き芋や、サツマイモの新しい食べ方提案を行う。2022年の青果用サツマイモの生産は茨城県が1位で19万トン。そのうち約22%を同社が使用する。 同社では新品種の開発にも着手しており、「紅天使」をはじめ、「夢ひらく」「華むらさき」などオリジナルブランド芋の研究開発にも注力。さらに「準完全栄養食品」といわれるサツマイモに含まれるアントシアニシンやカロテンなど機能性成分の研究も進める。 * 安藤國行氏(あんどう・くにゆき)1969年7月31日生まれ。1992年4月亀田製菓入社、2003年10月カルビー入社。2016年4月広域量販部部長、2021年4月執行役員広域事業本部長兼CVS事業本部長、2023年4月カルビーかいつかスイートポテト社長
日本食糧新聞社