<ドラフト会議>最大9球団が指名も 注目の両右腕 即戦力はどっち?
桐光学園・松井裕樹は1位回避の声も
2013年度のドラフト会議を24日に控え、各球団の水面下での情報合戦も熱を帯びてきた。1位指名は、直前まで情報を集めて当日の編成会議で決定するという球団も少なくない。ドラフト後に選手に話を聞いても「事前に何も話もなかった」、「伝えられていた予定順位より上だった」、「下だった」という後日談も多い。注目は、昨夏の甲子園で1試合22奪三振を奪い、一躍人気を集めた左腕、松井裕樹だが、「素材は一流だが、阪神に入った去年の藤浪とは違って時間がかかりそう」という声が強く、地元の横浜でさえ、1位指名は回避するのでは?という声さえ出てきている。
注目の即戦力投手は大瀬良大地(九州共立大)と吉田一将(JR東日本)
そこで即戦力投手を求める球団の間でクローズアップされているのが、九州共立大の大瀬良大地と、JR東日本の吉田一将の両右腕だ。大瀬良は187センチの長身。長崎日大高では甲子園出場経験があり、現西武の雄星と投げ合っている。九州共立大では日本代表にも選ばれた。150キロを超える球威はピカ一だ。 一方、吉田も191センチの長身。球速は、最速148キロでフォームと制球力に安定感がある。青森山田高―日大からJR東日本に進んで2年目。高校時代は控えで、大学時代は、4年までレベルの低い2部で投げていた遅咲きの投手だが、社会人に進み大成長した。
ヤクルト、横浜、阪神、広島の4球団が大瀬良に触手
大瀬良に触手を伸ばしているのは、ヤクルト、阪神、横浜、広島の4球団。地元、ソフトバンクの可能性も消えていない。吉田には、楽天、中日、オリックス、西武の4球団が狙いを定めていて、いずれもクジ引きになることは間違いなさそうだが、某球団の幹部は、こう嘆いた。 「スカウトによって2人の評価が別れる。悩む。直前まで情報を集めて、クジの可能性の低い方にいく球団も出てくるでしょう」 ドラフトマニアの間でも、この2人について、「どちらが、より即戦力か?」という論争が起きている。この両選手に優劣を付けるならば、どうなるのだろうか? 今回、ヤクルトの編成責任者として長い間活躍され、古田敦也や宮本慎也を発掘した片岡宏雄・元スカウトに両選手の映像を見てもらった上で、分析、評価をしてもらった。