“アーパトゥ、アパトゥ”が頭から離れない!日本でも大流行「世界的アーティストのコラボ曲」が“ただの中毒曲”じゃない理由
“安い企画っぽさ”がない理由は…
そして、ロゼのボーカルが圧巻です。技術よりも持っている声そのものが素晴らしい。アジア人のしなやかで潤んだ質感はそのままに、歌詞のアタック感を伝えるダイナミックなスケールがあるからです。だから、ブルーノ・マーズとのコラボでも企画っぽさがまったくない。同じ格の音楽家同士が正面から向き合っている潔さを感じるのですね。 「APT.」を聞いて、K-POPどうたらと批判する人はほとんどいないでしょう。ロゼはそんな次元をとっくに超えてしまったのです。ブルーノ・マーズと音楽でバトルできる歌手がニュージーランド生まれの韓国人女性だっただけの話。 むしろ、その身も蓋もないストーリーを日本の音楽シーンがどう受け止めるのか、と問われているようにも感じます。 というわけで、今年の紅白は目玉がいないと心配されているようなので、もう「APT.」しかないんじゃないでしょうか。 いっそのこと、ロゼに圧倒されてみては?、と思うのです。 文/石黒隆之 【石黒隆之】 音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
日刊SPA!