グアテマラ、トランプ氏との関係構築へ 強制送還受け入れ検討
[26日 ロイター] - グアテマラは、トランプ次期米大統領との良好な関係構築を目指し、米国から強制送還される中米諸国出身者を受け入れることを検討している。複数の関係者が明らかにした。 米国は出身国がニカラグアやベネズエラ、ハイチといった国の不法移民の強制送還に苦慮しており、「米国史上最大の強制送還」を掲げるトランプ氏にとってこれは大きな課題となっている。 トランプ氏の政権移行チームは、不法移民の強制送還を出身国が拒否した場合、第三国が受け入れる用意があるかどうか既に複数国に打診しているが、メキシコやバハマなどを多くの国は難色を示している。 一方、グアテマラ政府は、トランプ政権との良好な関係構築に積極的で、トランプ氏の政権移行チームやマルコ・ルビオ上院議員、ヘリテージ財団などと会談を重ね、移民問題や国境警備、麻薬取引などについて協議している。 グアテマラ政府は、バイデン政権下で強制送還者を既に受け入れており、今後見込まれる増加にも対応する姿勢を見せている。グアテマラは帰国者の社会復帰支援を優先するとし、各国が自国民に対して責任を負うべきだとしつつも、中米諸国間の自由な移動を認める地域協定の重要性を強調している。グアテマラのビジョンは、米国で培ったスキルを民間セクターで活かすことだ。 グアテマラ政府関係者は、海外からの送金が減少し、帰国者の社会復帰のためのコストが増加すると強制送還者の受け入れはグアテマラ経済に負担をかける可能性があることを認識している。米国にいるグアテマラ市民からの送金は国内経済の約2割を占める。 政府関係者は、米国からの送金の減少とトランプ氏が提案する関税引き上げが同時に起こることを特に懸念している。