東海地方で発酵ツーリズム推進 実行委発足、来年5月からイベントも
東海3県(愛知、岐阜、三重)で発酵をテーマにした観光を推進するため、発酵ツーリズム東海実行委員会(事務局半田市観光協会内)が発足した。発酵を軸に広域観光の実現を目指し、来年5~7月に半田市と岐阜市で展覧会などのイベントを開催する。 (半田) 実行委は、岐阜県で観光振興に取り組むNPO法人ORGAN(オルガン、事務局岐阜市)とNPO法人半田市観光協会(事務局半田市)、発酵デザインラボ(本社東京都)が中心となって立ち上げた。 イベントは、来年5月17日から7月13日までの期間、半田市の半田運河周辺と、岐阜市のぎふメディアコスモスなどをメイン会場に開催。「発酵を東海地方のアイデンティティーに」「発酵を起点にした観光の開発」「グローバルを見越した長期視点のまちづくり」を重点に置く。半田会場では「世界発酵すしサミット」など、岐阜会場では「東海3県と全国の発酵食パネル展」や鵜(う)飼いと組み合わせた企画を計画。
このほか、岡崎、伊勢、郡上の各市にサテライト会場を設置。酢、みりん、みそ、しょうゆ、日本酒などの醸造会社や漬物、納豆などの食品メーカーの協力を得て、蔵開きや工場見学ツアーも予定する。 常滑市の中部国際空港で発足式が開かれ、共催団体のJR東海や名古屋鉄道、中部国際空港をはじめ、地元自治体、醸造会社の代表者ら約60人が集まった。 同実行委の蒲勇介委員長(NPO法人ORGAN理事長)は「発酵食を通して地域で生まれた味覚や暮らしに触れてもらうことが、私たちが考える発酵ツーリズム」と説明。その上で「東海地方は『うま味の首都』と言われている。地域のアイデンティティーに迫る旅行を企画していきたい」と述べた。 共催団体の代表として、中部国際空港の犬塚力社長は「グローバルにPRしていくことが必要。今までの伝統をさらに発展させることで、地域の魅力が世界に広がる」と話した。 事業概要説明の後、同実行委メンバーで発酵デザイナーの小倉ヒラク氏が、自身が取り組んだ「発酵ツーリズム」について講演した。
今後、10月から来年4月にかけて発酵文化の調査などを行い、東海地方の特徴について体系化する。