万博と重なる「IR」の工事に自見大臣「万博優先するように…万博ファーストで」吉村知事は具体的対応策明言せず
大阪・関西万博の会場に隣接するIR(カジノを含む統合型リゾート)の工事が万博期間中と重なることついて、自見万博担当大臣は「万博を最優先に」と大阪府と市に求めていることを明かしました。 大阪・関西万博の会場となる夢洲では、2030年開業予定のIRの工事が、万博開催期間中に行われる予定ですが、工事の騒音や景観悪化などによる万博会場への影響を危惧する声が上がっています。 自見万博担当大臣は、27日の会見で「万博を優先するように」と話しました。 (自見英子万博担当大臣) 「政府といたしましても、万博もIRも重要な事業と考えてございますが、万博会期中は万博の成功が最優先であると思ってございまして、私のほうからも大阪府知事や大阪市長に会うたびに、常に万博ファーストですよねっていうことは確認をさせていただいております。この考え方には大阪府・市も当然だという理解を示していただいておりますので、調整をいただいているものと信じております」 自見大臣は今年5月末に、万博期間中のIR工事計画の詳細を耳にしたということです。 また、BIE=博覧会国際事務局や博覧会協会はこれまでに、「開催期間中は会場に隣接するIRの工事を中断できないか」と大阪府の吉村知事に要望していました。 これに対し大阪府の吉村知事は27日、「国も交えた実務的な協議をしています。問題意識を払拭できるよう関係者と調整していきたい」と話し、具体的な対応策については明言しませんでした。 大阪のIRは2030年秋ごろの開業を目指していて、事業者は、2026年9月末までは違約金なしで計画から撤退することができる”解除権”を行使できます。大阪府・市は簡単にIRの工事を中断させるわけにはいかず、難しい対応を迫られています。