静岡県内インフルエンザ患者が急増 「注意報レベル」に 新型コロナとの同時流行懸念
静岡県は20日、インフルエンザについて直近1週間(9~15日)の定点医療機関1カ所当たりの患者数が11・47人となり、国が定める注意報レベルの基準値10人を超えたと発表した。前週の4・44人から急増した。県は、年明け以降に新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されるとして、ワクチン接種の検討や咳(せき)エチケットなどの対応を呼びかける。 県によると、例年と比べると注意報発令時期は比較的早く、注意報が出て2~4週間後に警報入り(30人)になる傾向だという。地域別は東部13・54人、西部10・98人、中部9・55人。県内の1日の推計患者数は1600。小中高校の計40校が学級閉鎖した。全国値も19・06人となり注意報レベルに達した。 新型コロナは定点当たり4・49人で前週の3・06人から増加した。地域別は東部5・82人、中部3・9人、西部3・6人。基幹定点医療機関10病院から報告された11月の65歳以上の新規入院患者は141人。昨年同月と比べて3倍以上に増えた。最後のワクチン接種から時間が経過し、重症化予防効果が切れていることも一因とみられる。 県感染症管理センターの後藤幹生センター長は会見で「インフルエンザの患者数はコロナ禍前と同じような増え方をしている。(ピークが重なり)初めてコロナとの同時流行が起こる可能性がある」と指摘する。 マイコプラズマ肺炎は定点当たり2・8人の発生があり流行が続く。
静岡新聞社