“世界初”トヨタの液体水素車、24時間耐久レースに挑む 豊田章男会長「世界の温暖化にもうひとつの選択肢を」“仲間”には岩谷産業も
日テレNEWS
自動車メーカー各社が二酸化炭素を出さない車の開発を進める中、世界で初めて液体水素だけを燃料とするトヨタの車が耐久レースに挑戦しました。
◆“世界初の車”で挑む24時間耐久レース “MORIZO”豊田章男会長「世界の温暖化にもうひとつの選択肢を」
先月、富士スピードウェイで行われた24時間耐久レース。トヨタ自動車は、“世界初の車”で参戦しました。その動力源は「液体水素」です。 スタートドライバーをつとめたのは、MORIZOこと豊田章男会長。なぜ、液体水素エンジン車で挑戦するのか。 トヨタ自動車・豊田章男会長 「世界の温暖化にもうひとつの選択肢を。次にバトンをつなげるよう安全運転を心がけます」 水素は化石燃料にかわるエネルギーとして期待されているのです。この車は、液体水素を保管し、気体にして燃焼させエンジンを動かす仕組みです。液体は体積が気体の800分の1になるため、タンクに入る量が増えることから、気体の水素を燃料とした車と比べ航続可能距離が2倍になりました。 2021年、トヨタはその気体の水素を燃料とする車でレースに。そのときは充填(じゅうてん)設備がピットに入りきらず、広場まで水素の機械がありましたが、液体水素にすることで、およそ4分の1の空間となり、ピットでの充填が可能になりました。
◆水素の技術“仲間”は、家庭でもおなじみ「カセットガス」のあの会社
水素の技術は、トヨタだけではなく、多くの“仲間”が関わっています。“仲間”のひとつは、家庭でもおなじみ、「カセットガス」の岩谷産業株式会社です。 大阪にある液体水素の製造工場。ここは日本で1番大きな水素の工場です。天然ガスを化学反応させることで純度の高い水素を取り出し、それを超低温に冷やして液体水素ができあがります。 そして、日本で唯一の水素に特化した研究所。この一見、炭酸水に見える液体が、マイナス253℃の水素です。温度が上がると気体になるため、常に気泡が湧き上がります。液体水素は可燃性ガスのため、漏れがないかチェックしながら実験を行っているといます。 岩谷水素技術研究所・小池国彦所長 「水素というものが二酸化炭素を出さない、究極のクリーンエネルギーであることを信じて、非常に多角的な研究をやることが、日本のため、世界のため、つながっていくと信じて社員一丸となってこれにむかってやっている」