現在決まった住所がありません。「生活保護」を申請するには施設に入る必要がありますか?
生活保護は経済的に困窮している人が、最低限の生活を維持できるようにするために利用できる制度です。 受給するためには、一定の条件を満たしている必要がありますが、決まった住所がない場合は申請できないと思っている方もいるでしょう。 本記事では「家がなくても生活保護の受給対象になれるのか」について、住む家がないときに利用できる可能性のある無料低額宿泊所の詳細も含めてご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護は住所がなくても申請できる?
厚生労働省によると、生活保護はすべての資産や能力を活用しても、収入が最低生活費を下回っている人が利用できるとされています。また、下記の条件を満たしていれば、家がなくても生活保護の申請は可能です。 ●資産を所有している場合は売却すること ●働ける場合は能力に応じて働くこと ●年金や手当など、ほかに利用できる制度があれば利用すること ●親族などから援助を受けられる場合は受けること 生活保護を受給するためには、施設に入る必要があるといった決まりもありません。 生活保護法第十九条によると「その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの」に対して「保護を決定し、かつ、実施しなければならない」とされています。そのため、決まった住所がない人は、滞在しているところから一番近い福祉事務所に申請しましょう。
住む家がない場合に利用できる可能性がある無料低額宿泊所とは?
住む家がない場合は、無料低額宿泊所の利用を検討してみるとよいでしょう。 無料低額宿泊所とは、経済的に困窮している人を対象として、無料または低額な料金で簡易住宅を貸し付けたり、宿泊所を利用させたりする事業を行う施設のことをいいます。 厚生労働省が令和2年に実施した「無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査」によると、全国600以上ある施設に1万6397人が入居しており、うち1万5183人が生活保護受給者です。 入居者が施設に入居する前の状況については、表1のようになっています。 表1