【広島】常広羽也斗プロ初登板初勝利「自分らしく腕を振ることができた」チームの連敗6で止めた
<広島10-2DeNA>◇15日◇マツダスタジアム 広島常広羽也斗投手(22)がプロ初登板で大仕事をやってのけた。 5回まで毎回走者を背負いながら、7安打1失点。「今まで1軍で戦ってきたわけではないので、1軍がどうとかは関係なく、自分は自分の球を投げることを大事にした」。初登板初勝利で、チームの連敗を6で止めた。 低めに伸びる真っすぐが、可能性を感じさせた。1回、先頭梶原を直球2球で追い込み、フォークで空振り三振。2死から連打を浴びて二、三塁のピンチを招くも、宮崎をフルカウントから見逃し三振に切った。強力打線にも逃げずに攻めた投球がナインを鼓舞したか、その裏には11試合連続で3得点以下だった打線が一挙4点。大量援護を背に、毎回走者を出しながらも要所を締めた。最速153キロの直球を軸に、フォークやカットボールが生きた。右ふくらはぎがつりかけた5回は2死満塁としながらも、桑原を三ゴロに打ち取って役割を果たした。 “切り札”と期待された。実戦では2軍でも思うような投球ができない登板もあったが、新井監督はシーズン半ばからデビュー登板のタイミングをうかがっていた。まだ調整が遅れていた2月から備えていた。別メニュー調整にもかかわらず、沖縄春季キャンプに同行させ、1軍に慣れさせた。1軍に合流した10日「あのタイミングで1度(首脳陣や選手に)会っていたので、すんなり入れました」と常広。初マウンドでの落ち着きにつながった。遅れてきた黄金新人が連敗を止め、再浮上へ弾みをつけた。【前原淳】 ◆常広羽也斗(つねひろ・はやと)2001年(平13)9月18日生まれ、大分県出身。大分舞鶴から青学大に進み、4年時に全日本大学野球選手権優勝。23年ドラフト1位で広島入り。入札では楽天と競合した。今季ウエスタン・リーグでは11試合に投げ2勝6敗、防御率4・06だった。180センチ、77キロ。右投げ右打ち。 ▽広島新井監督(初登板初勝利の常広に)「緊張したと思うんですけど、期待通りのピッチングをしてくれたと思います。打者に向かって行けていた。結果を気にせずに腕を振ればいいよと言っていたので、その通りのいいピッチングだったと思います」 ▼ルーキー常広がプロ初登板を白星で飾り、チームの連敗を6で止めた。広島の新人で初登板初勝利は17年加藤以来、7年ぶり13人目になる。過去に初登板初勝利でチームの連敗を5で止めた新人は84年津野(日本ハム)と86年西川(南海)がいるが、チームの6連敗以上を止めたのは常広が初めてだ。