「彼にとって、いい日になるだろう」大谷翔平の10戦ぶり一発を指揮官が予言していた 6月反攻へ「復調」
◆米大リーグ メッツ3―10ドジャース(29日、米ニューヨーク州ニューヨーク=シティフィールド) 【動画】大谷翔平、46打席ぶりの14号2ラン! ドジャース・大谷翔平投手(29)が29日(日本時間30日)、敵地・メッツ戦に「2番・DH」でフル出場。8回に自身10試合46打席ぶりのアーチとなる14号2ランを放ってトンネルを抜けた。17日(同18日)の本拠地・レッズ戦での13号を最後に左太もも裏打撲の影響もあって調子を落としていたが、得意の6月を前に反攻態勢を整えた。シティフィールドでは自身初の一発で、日本人最多を更新する“26球場目制覇弾”となった。 久々の快音が、ニューヨークの夜空に響いた。4点を勝ち越した直後の8回2死二塁で迎えた5打席目。大谷は2ストライクと追い込まれながら、5番手右腕・ロペスの4球目の95・9マイル(約154・3キロ)を逆方向にはじき返した。打球角度34度と高々上がり左中間席に着弾。自身46打席ぶり、トンネルを抜ける14号2ランだ。三塁を回りながらベンチに両手を振るように小さめの「ヒップロックポーズ」を見せ、表情を少しだけ緩めた。 指揮官の“予言”が形になった。試合開始前の時点で自身9戦連続ノーアーチ。16日(日本時間17日)の本拠地・レッズ戦で左太もも裏にけん制球を受けた打撲の影響で全力疾走を控えるなど調子を落としていた。だが、試合前にロバーツ監督は5打数無安打だった前日28日(同29日)のダブルヘッダー第1試合での内容に復調への兆しを感じ取っていた。「以前よりボール球の見極めは良くなっている。きょうはそんな(活躍する)気がする。彼にとって、いい日になるだろう」と言い切った。 その言葉通り、5回1死二塁の3打席目で打球速度114・1マイル(約183・6マイル)という強烈な当たりの中前適時打を放ち、5打席目に自身10戦ぶりの一発。マルチ安打も6戦ぶりで、指揮官は「角度をつけて逆方向にホームラン。試合前に、その話をしたよね。打つべき球を振りにいっている以上、彼は復調している」と得意げにうなずいていた。 メッツの本拠地、ニューヨークのシティフィールドでは、メジャー7年目で初アーチ。日本人最多を更新する26球場目での本塁打となった。得点圏に走者を置いて本塁打を放つのは、今季67打席目で初めて。1試合3打点は5日(同6日)の本拠地・ブレーブス戦以来、自身20試合ぶりだった。リーグトップのオズナ(ブレーブス)の16本にも2本差に迫った。 6月は21年以降、月間13、6、15本塁打を放つなど得意な季節。調子の底を打ったことは、今後への光となる。チームも今季ワースト5連敗で迎えた敵地・メッツ戦で3連勝と巻き返した。27日(同28日)には「状態がそこまで良くない」と話していたが、昨年のキングが自ら上昇気流を巻き起こした。
報知新聞社