原油価格下落で98年ロシア危機は再来するのか? 金融アナリスト・久保田博幸
面白いことに、ロシア危機のあった1998年と2014年を比べると、いくつかの共通項が存在しています。1998年には長野で冬期五輪やサッカーワールドカップが開催されました。今年も冬期五輪やワールドカップが開催されました。日本の長期金利は1998年に初めて1.0%を割り込み、2014年にも過去最低を更新しています。また、1998年に日本国債が初めて格下げされ、2014年もムーディーズが日本国債を格下げしました。その1998年末には運用部ショックと呼ばれる日本国債の急落が起きていました。 今のところ日本国債が急落するような気配はありませんが、何かしらのきっかけで急落する可能性は否定できません。もしこのまま原油価格が下落し続けると、ロシアなどの産油国に大きな影響を与えるだけでなく、米国のシェールガスの開発会社などにも影響を与え、新たな危機を招く懸念もあります。WTIの40ドルあたりがひとつの分岐点とも指摘されていることで、今後の原油価格の動きには十分な注意を払う必要がありそうです。