“地下神殿”に“ストーンヘンジ”も… 普段入れない施設を見学「インフラツーリズム」が人気
日テレNEWS
普段は立ち入れない治水施設やダムなどを、観光資源として活用する「インフラツーリズム」が広がりを見せています。施設の見学と市内の観光スポットを組み合わせたプランや、見学ツアーのチケットをふるさと納税の返礼品にするなどの動きも出ています。 ◇ 埼玉・春日部市の地下治水施設、「首都圏外郭放水路」は、広大なスペースに巨大な柱がいくつも伸び、まるで古代遺跡を思わせる光景から”地下神殿”とも呼ばれています。ここでは、ガイド付きの見学ツアーが行われていました。 ガイド 「こちらは地下22メートルの場所で、調圧水槽という名前の場所でございます」 約55分、1人、1000円で参加できる「地下神殿コース」には、海外からの観光客の姿もありました。 イギリスからの観光客 「ワイルドでスケールの大きさを感じます。どれくらい大きいのか想像できない。すごくクールだ」 普段は立ち入れない治水施設やダムなどを、観光資源として活用する「インフラツーリズム」。国土交通省によると2016年9月時点では、関東で対象となる施設は12か所でしたが、2022年11月時点では45か所に増えています。特に増えているのが埼玉県です。 「地下神殿」がある春日部市では、この施設と共に市内の観光スポットを訪れてもらう試みが行われています。 春日部市観光協会 鈴木涼香主査 「もっと春日部を知っていただきたいという思いから、点在する観光スポットをつないだ周遊ルートを提案しています」 春日部市観光協会は地元旅行会社と協力し、ゴールデンウイーク期間中の5月7日に、地下神殿見学と市内での茶摘みをセットで体験できるツアーを計画しています。 ◇ 広がるインフラツーリズム。3年前に完成した群馬・長野原町の八ッ場ダムでは、5月27日に行うダムの放流見学ツアーのチケットをふるさと納税の返礼品にしました。 長野原町役場未来ビジョン推進課 塩野耕治さん 「ふるさと納税をいただいた方に、ご入場いただくということになります」 なぜ、ふるさと納税の返礼品にしたのでしょうか。そのワケは? 長野原町役場未来ビジョン推進課 塩野耕治さん 「八ッ場ダムはどこにあるの?といった場合に、知らない方が多いのかなと。(ふるさと納税にすれば)町の名前もセットで覚えていただけるのかなと」 ◇ 今しか見られない光景に応募が殺到するケースもありました。 岐阜市内に密集してそびえる巨大な柱は「岐阜のストーンヘンジ」と呼ばれ、イギリスの世界文化遺産、「ストーンヘンジ」に見た目が似ていると話題になっています。その正体は建設中の東海環状自動車道です。 先月、NPO法人がNEXCO中日本などと共同で見学ツアーを行いました。 NPO法人 ORGAN 熊田朋恵さん 「92名の申し込みがありました。大反響にビックリしています」 募集の際、定員は20人でしたが、工事が進むとともに見られなくなる光景見たさに定員の5倍近い応募があったということです。