[名良橋晃]日本代表の強さを再認識 超攻撃的3バックが機能、守備でも攻撃的だった
抜群の存在感だった守田 冨安に伊藤……選手層が厚い!
W杯最終予選では、これまで本当に苦労してきました。中国は嫌だなと思っていたら、この結果です。そして、バーレーンも寄せ付けませんでした。相手は0-2になった時点で戦う意欲をほぼ失っていたと思います。もっと得点できた可能性がありました。 なんと言っても、守田英正のパフォーマンスがすごかったです。試合を重ねるごとに、ピッチ上の監督のようになっています。バーレーン戦では自ら2得点です。攻守両面ですごく存在感がありました。 2試合を通じて細谷真大、旗手怜央などがベンチを外れ、冨安健洋、伊藤洋輝がケガで離脱している―。こうした事実に、選手層の分厚さを感じます。森保一監督は毎回難しい判断を迫られているな と思います。中国戦、バーレーン戦は3バックだったため、菅原由勢、中山雄太、望月ヘンリー海輝も出場がありませんでした。 10月のサウジアラビア戦(A)、オーストラリア戦(H)で3バック、4バックのどちらを採用するかわかりませんが、4バックであれば今度は彼らの出番となるでしょう。とくに、望月ヘンリー海輝は代表で一度見たいですね。大型SBが主流のなか、身長があってスケールが大きく、スピードもある。果てしない可能性を感じる選手です。 私は三菱養和SCでプレイしていたころの望月ヘンリー海輝を見たことがあるのですが、ボランチでプレイしていて対人が強かった記憶があります。一歩一歩、階段を上っている感があります。さらに成長し、SB に競争をもたらしてほしいです。 長谷部誠さんのコーチ就任も大きかったと考えます。この決断により、みんな整ったと思います。長く欧州の第一線で活躍してきた長谷部誠コーチの言葉は重く、やはり説得力があります。各方面から信頼されていて、スタッフと選手の潤 滑油にもなれます。代表にとって、これほど頼もしいコーチはいないでしょう。 アジア最終予選全体をみれば、出場枠が増えたことで中堅国のレベルアップが見て取れます。国外 から良い監督を招聘し、良いチーム 作りをすることで確実に力をつけています。オーストラリア、韓国、サウジアラビアなど強豪国が苦戦を強いられています。拮抗した最終予選になることが予想できます。 日本は10月にそのサウジアラビア、オーストラリアと戦います。カギを握る2試合で、連勝したらだいぶW杯が見えてきます。ただ、相手は日本対策をこれまで以上に練ってくると思います。緊迫した痺れる展開になるかもしれません。それも望むところですが、今回のようにスカッと勝利するのもいいですね。むしろ、またスカッと勝ってほしいです。 構成/飯塚健司 ※ザ・ワールド2024年10月号、9月15日配信の記事より転載
構成/ザ・ワールド編集部