【有馬記念】レガレイラの木村師、「ホッとしています」苦難続いた1年、ファン投票に押されてかなった出走への責任果たし安堵
◇22日 第69回有馬記念(G1・中山・芝2500メートル) 中団に構えた5番人気のレガレイラ(牝3歳、美浦・木村)がシャフリヤールの直線激しい叩き合いの末、鼻差競り勝ち、昨年のホープフルS以来のG1・2勝目を挙げた。戸崎圭太騎手(44)=美浦・田島=は2014年ジェンティルドンナ以来の有馬記念2勝目、木村哲也調教師(52)=美浦=は22年イクイノックス以来の2勝目となった。 ◆レガレイラとシャフリヤール、有馬記念は超激闘のハナ差決着【写真】 引き揚げ所で鼻差先着の見通しを聞いて両腕を広げて喜んだ戸崎と対照的に、人馬を迎えた木村師は努めて笑顔を抑えていた。「まずこの1年、レガレイラがなかなか本来の…。応援してくれる皆さんに納得してもらえる走りを導けなかった。ホッとしています。責任を果たせたと」。自身の責任に言及して、やっと口角が少し緩んだ。 しんどかった1年の最後に、やっと巻き返した。ほぼ1年前、同じ中山でホープフルSを勝ったレガレイラだったが、3歳シーズンは苦難が続いた。春2冠は牝馬路線を歩まず、皐月賞、日本ダービーに挑戦してはね返された。秋の始動戦だったローズSは流れに乗れず5着止まり。エリザベス女王杯も1番人気に推されたが、牝馬相手でも5着。4戦全て馬券圏内には入れなかった。 陣営はもちろん、ファンも諦めなかった。有馬記念はファン投票13位で特別登録馬の上位10頭に入って優先出走権を得たが、通常のG1で適用される出走馬決定賞金順なら19番目。ファンの13万余の票がなければ、出走すらかなわなかった。この日は5番人気。「パドックでオッズ板を見ました。人気していたんで、ありがたいな。期待に応えたいな」。木村師はファンの力に改めて背筋を伸ばした。 そしてグランプリで激勝。「ドウデュースが引退になりますので、来年、中央競馬を引っ張っていく一頭になろうかと思います。それが体現できるよう」。2025年へ向け、スターホースを育てていく新たな責任を自覚していた。
中日スポーツ