認知症の発症リスクが2倍近くなる? 「認知的フレイル」の状態について作業療法士に聞く
認知的フレイルを予防する
編集部: 認知的フレイルは予防することが可能ですか? 赤井田さん: 身体機能および認知機能の低下を未然に防ぐことが、認知的フレイルの予防として効果が期待されています。日常的な生活習慣を見直して、生活を整えていくことが重要です。 また、行政や自治体が実施している健康チェックに定期的に参加し、自身の健康状態を把握することも予防に重要な行動になります。 編集部: 具体的な予防の方法について教えてください。 赤井田さん: 具体的な予防方法としては、普段の活動量を増やすことが重要といわれています。1日の歩数を目安にすることも有効ですね。具体的には、65歳以上だと一日7000~8000歩以上をおこなうことで身体機能の低下の予防に有効であるといわれています。 さらに、社会的な交流をもつことも認知的フレイルの予防方法のひとつです。地域でのサロン活動や行事への参加をすること、友人とコミュニケーションをとるなど、週に2回以上は目的をもって外出することなども認知的フレイルの具体的な予防策として挙げられます。 編集部: 日常生活でできる予防方法やアドバイスはありますか? 赤井田さん: 日常的には厚生労働省の身体活動指針である「アクティブガイド」で推奨されている“プラステン(今より10分多く体を動かそう)”を生活の中で意識することが役立つでしょう。 例えば、「掃除や洗濯などの家事は積極的に動き、家事の合間にはながら体操をおこなうこと」「友達と外出することなどで外に出る機会をつくって活動的に過ごすこと」「テレビをみるときに10分は立ってみる」など、日常生活のなかで行動を変えていくことが重要になります。
編集部まとめ
認知症とは異なる認知的フレイルですが、自他ともに日常生活の中で認知的、身体的な衰えがないかを気にかけることで、早期発見につながるとのことでした。予防方法は、日常生活での活動量の増加や社会交流が有効なようです。 今よりも10分だけ多く身体動かすことだけでも健康寿命を伸ばすことが可能かもしれません。ぜひ、今一度ご自身の生活を見直してみてはいかがでしょうか。