聖徳太子ゆかりの兵庫・太子町 “宮本武蔵生誕の地”へ銅像寄贈 夏に欠かせない氷・花火の製造も
兵庫県太子町の沖汐守彦町長がこのほど、ラジオ関西の生放送に出演し「聖徳太子の“和をもって貴しとなす”の言葉の通り、町民の和を大切にした“和のまち太子”の創造に全力を尽くしている」と、町政への熱い思いを語った。 【写真】“宮本武蔵生誕の地”兵庫太子町に武蔵の銅像寄贈 太子町は、兵庫県の南西部に位置し、東西6キロ、南北4キロ、面積22平方キロの「コンパクトなまち」。揖保郡内で唯一平成の大合併に参加せず、1951(昭和26)年に今の町の形となって、町制73年。人口は約3万3000人(令和2年国勢調査より)で、沖汐町長は「15歳未満の年少人口の割合が県下で最も高い」と紹介した。交通は、太子竜野バイパスや山陽自動車道へのアクセスが良く、JR山陽本線の網干駅に近いことから「神戸や大阪へ通勤する人も多い」。また、町内に小学校4校、中学校2校、保育所や子ども園、幼稚園も複数あり、「教育環境も充実している」という。 太子町は聖徳太子ゆかりのまち。約1400年前に聖徳太子が創建したと伝えられる「斑鳩寺(いかるがでら)」をはじめ、荘園の境界を示すために置かれたとされる「鵤荘牓示石(いかるがのしょうぼうじいし)」が町内5か所に現存し、そのうち4か所は兵庫県の史跡に指定されている。 剣豪・宮本武蔵生誕の地としても知られる太子町。生家があったと伝えられる太子町宮本の宮本公園には「宮本武蔵生誕之地」の石碑が立つほか、生家跡とされる場所に古井戸が残る。播磨地域を生まれた地として描いた映画『武蔵ーむさしー』の三上康雄監督から、宮本武蔵の銅像が寄贈され、8月20日に宮本公園で除幕式が行われた。 太子町には、県内屈指の企業施設がある。ひとつ目はJR西日本の車両基地および車両工場である『網干総合車両所』。毎年11月3日の「太子あすかふるさとまつり」に合わせて一般公開が行われる。ふたつ目は関西最大級の製氷工場『本田冷蔵・太子工場』。「夏場に欠かせないコンビニのカップ氷をはじめ、1日に113トンの氷を製造している」という。そして、県内で唯一、花火を製造している『三光煙火製造所』の工場が立地。沖汐町長は「年間3万発から4万発の花火を作っている」と胸を張った。町内での打ち上げ花火は、住宅街があるため開催できなくなったが、町が誇る産業のひとつとなっている。 太子町の課題については「年少人口=子どもの割合が高いまちでも、少子高齢化、人口減少の問題は避けて通れない」。そのための対策として「現在、町内に県道が整備されており、沿線への企業誘致を含めて、地元関係機関と連携しながらまちづくりを進めている」とした。また、太子町で生まれ育って大学を卒業した後、町内に戻り就職した若者には、給付型の奨学金制度があるなど「若者が働きやすい、帰ってきやすい環境を整えている」。 また、力を入れている子育て支援について、次のように語った。 太子町では、保育所や子ども園、幼稚園、学童保育での待機児童ゼロに向けた取り組みを進めている。また、子育て支援の一元化、継続的な支援のため、ことし4月、教育委員会内に「こどもえがお課」を新設した。さらに、教育支援センターを設置し、不登校児童生徒の支援も充実させている。 特産品には、太子町産の大豆と米を使った「太子みそ」をはじめ、イチジク、山椒、そうめんなど、美味しいものが豊富。沖汐町長は「ふるさと納税の返礼品としても人気。ぜひ食べてみてほしい」と話した。 沖汐町長は「聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条に記された“和をもって貴しとなす”という言葉の通り、太子町は町民の和を大切にしたまちづくりを進めている。このまちに住んで良かった、このまちを選択してよかったと実感できる、“和のまち太子”の創造に全力を尽くしていく」と、熱い思いで締めくくった。 ※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2024年8月14日放送回より
ラジオ関西