絶滅危惧の「カゴメラン」盗掘か 群生場所から消える 被害は少なくとも20株 沖縄・名護岳
沖縄県の特別鳥獣保護地域、国定公園に指定されている名護岳の周辺で、県が絶滅危惧種に指定しているラン科の植物「カゴメラン」が群生する場所から、少なくとも20株が盗掘された疑いがあることが3日までに明らかになった。ランが自生しているのを自然保全に取り組む住民ら複数人が確認していたが、8月下旬ごろになくなった株が多くなったという。何者かに持ち去られたとみられる。 【写真】愛らしい花を咲かせるカゴメラン カゴメランは山地の常緑樹林の周辺に生えるラン科の植物で、葉の表面に白い網目模様があることが特徴。茎の上部は直立して黄白色の小さな花を多数つける。名護岳の山中で群生している場所を複数人が確認していたが、8月25日ごろにはなくなっていた。 本紙記者が3日に名護岳周辺の自然保全に携わる細川太郎さんと現場を訪れたところ、葉の直径が1センチ程度の小さな株を除いて、群生は確認できなかった。 細川さんは「育てるにしても、販売目的であっても、カゴメランはそこに生えているからこそ価値があり、生態系を構成する要素の一つ。『とる』のは写真だけにしてほしい」と話した。
琉球新報社